出版社内容情報
ズンデルドで生を受けてからピストル自殺を計った37年間の波乱に満ちた短い人生の軌跡を、ゴッホが生きた同じ場所にカメラを構えゴッホと同じ視点から見たフォトストーリー
内容説明
狂気か天才か、あなたの知らないゴッホがここにある。生誕の地ズンデルトから終焉の地オーヴェール・シュル・オワーズまで、波乱万丈のゴッホの一生を絵画とフォトストーリーで綴った決定版。
目次
第1章 ズンデルトとヌエネン―生誕の地、家族との亀裂
第2章 パリ―画家修業時代
第3章 アルル―永遠なる陽光の色彩を求めて
第4章 サン・レミ・ド・プロヴァンス―精神の彷徨
第5章 オーヴェール・シュル・オワーズ―光のなかの死
絵画集1オランダ・パリ時代
絵画集2アルル~サン・レミ・ド・プロヴァンス―オーヴェール・シュル・オワーズ時代
著者等紹介
南川三治郎[ミナミカワサンジロウ]
写真家。1945年三重県生まれ。東京写真大学卒業後、大宅壮一東京マスコミ塾・第一期出塾。パリを拠点にヨーロッパの“人と文化”に焦点を当て取材活動をするフォトグラフィック・ライター
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
454
もったいなくて手に入れてからしばらく積んでいた。過去に文献や記事を読んでいたので、本文に関してはそれほど目新しいところはないか。なにしろ各地の写真がいい。彼の最期の地、アルル、オーヴェール、いつか訪問できたらうれしいのだけれど。2023/11/27
ホークス
40
2003年刊。ゴッホの人生に沿って、ゆかりの地を巡るフォトエッセイ兼ガイド。一部作品も掲載。ゴッホが南仏アルルに惹かれた理由に漸く納得できた。写真からでもパリやオランダとの光の違いが分かる。日本に近い色彩の豊かさをゴッホは求めた。アルルには闘牛もあり、風俗はスペインに近い。耳切り事件以降のゴッホは、意外と冷静に自身を見ていた。創造に没頭しすぎる危険を知りながら、自ら後戻りを放棄している。ゴーガンとの確執の中で死を覚悟し、美を賭けて悪魔と取り引きしたのかも。『星月夜』など鬼気迫る作品群はそんな夢想をさせる。2023/03/19
ワッピー
29
読み友さんの感想から。ワッピーは子供時代に、逆光で完全に顔がつぶれたバージョンの「種まく人」の得体の知れないエネルギーにやられて以降、ゴッホの作品を点としては知っていたものの、ゴッホ自身の生涯、パリ・アルル・サンレミ・オーヴェール各時代の作風の変遷を流れとして認識したのは初めてでした。当時の面影の残る風景や建物の写真を通じて彼の生きた時代と環境のイメージが朧気ながらようやく見えてきた気がします。南川三治郎さんは「推理作家の発想工房」以来でしたが、本書でもすばらしい写真と文を堪能。また追いかける人が増えた…2023/12/13
新平
4
都美でゴッホ展をやってるので、行く前に読む。いままでそれとはなしに彼の一生については聞いていたつもりだが、あらためて痛すぎる一生、太宰治より10倍痛い感じ。30歳過ぎてから37で生涯を終えるまでの7年間の爆発は芸術のビッグ・バンっとでも称したらよいのだろうか、死後130年経ってもその衝撃は我々を揺さぶり続ける。2021/09/23
rapo
3
ゴッホの暮らした町、描いた風景は今でも面影を残していて、タイムスリップしたような気分になります。2018/06/13