出版社内容情報
奇想の画家・伊藤若冲が描いた最高傑作「動植綵絵」。完成から240年たった今でも発見されていない、隠された秘密を解き明かす。動植綵絵千年の謎 ?画に隠された若冲のメッセージ
1760年、伊藤若冲は「動植綵絵」を初めて展示し、たちまち当時の人々に称賛された。
当時の二大知識人もこれを絶賛した。
しかし、それに対する若冲の反応は奇妙だった。
この画を見た大坂の医者は、若冲が「動植綵絵をしかるべきところに収蔵し、見る眼のある人を千年待つ」と言った、と記している。
当時の一般人はおろか、二大知識人でさえ十分に見ぬいていない「何か」がこの画にはある。
そう若冲は考えていたようなのである。
この「何か」こそ「動植綵絵千年の謎」とよぶにふさわしいものであろう。
「動植綵絵」は仏画の一種と考えられるが、このような仏画としての花鳥画は他に類例がない。
さらに、奇妙な格好をした鶏や他の鳥たち、「梅花小禽図」や「梅花皓月図」、「紅葉小禽図」などの自然にはありえない樹木の枝ぶり、
「群鶏図」の奇妙な鶏の密集、「菊花流水図」の菊と「雪中錦鶏図」の檜の逆S字型のまったく同じ構図、「秋塘群雀図」や「蓮池遊魚図」、
「池辺群虫図」、「諸魚図」、「群魚図」の同じ方向を向いた異様な動物の群れ、「芦雁図」の割れた氷など。
どうしてこのように描かれたのか、その理由はいまだに謎である。
そして、そもそもどうして「動植綵絵」は描かれたのか。
これら「動植綵絵千年の謎」は、本書を読むことで、次第に明らかになるであろう。
この謎を解く鍵は、250年以上見過ごされてきた多数の「隠し絵」の存在と描かれた形態の「相似性」および「非合同性」にある。
著者はこれらを丁寧に解説しながら、その意味について考察し、「動植綵絵」に込められた若冲の真のメッセージを明らかにする。
また、これらの新発見を通じて新しい若冲像も提示する。
【本書の主な内容】
第?章 前置き
動植綵絵千年の謎/「動植綵絵」を研究した理由/「動植綵絵研究」の構成と要約/用語解説
第?章 「動植綵絵研究」の目的と方法
「動植綵絵研究」の目的/方法
第?章 結 果
相似な形態(相似形兼隠し絵、自己相似図形、フラクタル)について/一見合同な形態の非合同性について
(それぞれ全30幅について解説。芍薬群蝶図/梅花小禽図/雪中鴛鴦図/秋塘群雀図/向日葵雄鶏図/紫陽花双鶏図/大鶏雌雄図/梅花皓月図/老松孔雀図/芙蓉双鶏図/老松白鶏図/老松鸚鵡図/芦鵞図/南天雄鶏図/梅花群鶴図/棕櫚雄鶏図/蓮池遊魚図/桃花小禽図/雪中錦鶏図/群鶏図/薔薇小禽図/牡丹小禽図/池辺群虫図/貝甲図/老松白鳳図/芦雁図/諸魚図/群魚図/菊花流水図/紅葉小禽図)
第?章 考 察
この研究で何が解ったか/若冲の生涯とその時代背景/若冲は動植綵絵を通して何を伝えようとしたのか/本研究から観える若冲の人物像
第?章 前置き
動植綵絵千年の謎/「動植綵絵」を研究した理由/「動植綵絵研究」の構成と要約/用語解説
第?章 「動植綵絵研究」の目的と方法
「動植綵絵研究」の目的/方法
第?章 結 果
相似な形態(相似形兼隠し絵、自己相似図形、フラクタル)について/一見合同な形態の非合同性について
(それぞれ全30幅について解説。芍薬群蝶図/梅花小禽図/雪中鴛鴦図/秋塘群雀図/向日葵雄鶏図/
紫陽花双鶏図/大鶏雌雄図/梅花皓月図/老松孔雀図/芙蓉双鶏図/老松白鶏図/老松鸚鵡図/芦鵞図/
南天雄鶏図/梅花群鶴図/棕櫚雄鶏図/蓮池遊魚図/桃花小禽図/雪中錦鶏図/群鶏図/薔薇小禽図/
牡丹小禽図/池辺群虫図/貝甲図/老松白鳳図/芦雁図/諸魚図/群魚図/菊花流水図/紅葉小禽図)
第?章 考 察
この研究で何が解ったか/若冲の生涯とその時代背景/若冲は動植綵絵を通して何を伝えようとしたのか/本研究から観える若冲の人物像
赤須 孝之[アカス タカユキ]
赤須 孝之:東京大学医学部医学科卒業。23年間、国立がんセンター中央病院に勤務し、多数の大腸癌患者を治療した。2001?2007年には国内で最多の大腸癌患者の手術を執刀した(「週刊朝日MOOKいい病院」)。また、大腸癌に関する多数の重要な臨床試験を行った。2013年から宮内庁病院、病院長事務代理。大腸癌に関する和文および英文の著書および論文が多数ある。主なものに、『胃がん大腸がん』(誠文堂新光社)、『大腸がんがわかる本』(法研)、『新 癌の外科-手術手技シリーズ 大腸癌』(メジカルビュー社)、『大腸・肛門外科の要点と盲点』(文光堂)、『新臨床外科学』(医学書院)、『Surgery for gastrointestinal cancer: a multidisciplinary approach 』(Lippincott Williams & Wilkins社)などがある。最近は、美術に関するエッセイも執筆し、「大観先生の杜鵑と魁夷先生の山雲」(アートコレクター)、「若冲は日本のレオナルドである」(別冊太陽)などがある。
目次
第1章 前置き(動植綵絵千年の謎;「動植綵絵」を研究した理由;「動植綵絵研究」の構成と要約;用語解説)
第2章 「動植綵絵研究」の目的と方法(「動植綵絵研究」の目的;方法)
第3章 結果(相似な形態(相似形兼隠し絵、自己相似図形、フラクタル)について
一見合同な形態の非合同性について)
第4章 考察(この研究で何が解ったか;若冲の生涯とその時代背景;若冲は動植綵絵を通して何を伝えようとしたのか;本研究から観える若冲の人物像)
著者等紹介
赤須孝之[アカスタカユキ]
東京大学医学部医学科卒業。23年間、国立がんセンター中央病院に勤務し、多数の大腸癌患者の手術を執刀した。2001~2007年の大腸癌患者手術執刀数は日本一(「週刊朝日MOOKいい病院」)。大腸癌に関する多数の重要な臨床試験も行った。2013年から宮内庁病院、病院長事務代理。大腸癌に関する医学領域の和文および英文の著書および論文が多数ある。美術に関するエッセイも執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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