出版社内容情報
金属製の鏝、火箸などを熱して紙、絹、竹などに描く絵画の技法である「焼絵」の歴史や作品、その研究活動をわかりやすく紹介した一冊
焼絵とは、金属性の鏝、火箸などを熱して紙、絹、竹などに絵画、文字を描くものの総称で、現在ではあまり知る機会が少なくなりましたが、その歴史は古く、中国、朝鮮、日本では1000年も前から行われていました。その証拠に我が国では、国学者の林亀瑞や、屋代弘賢の記述『聚遠雑記抄附焼絵考』が宮内庁書陵部にあり、日本書紀、平家物語、盛衰記などにも焼絵の記述が確認できます。また、譜代大名、国学者、狩野派の絵師、京都四条派、浮世絵師なども焼絵を描いていました。
本書では、古典籍の分野から見た日本の焼絵の歴史を辿る資料として、その価値を検証するため全文を掲載しています。その他、江戸時代に実在した焼絵作家の活動や、中国、朝鮮の焼絵の歴史をわかりやすく解説、焼絵の魅力を一冊に凝縮した内容になっています。
さらに現役で活躍する美術博物館学会員、書道家などの未発表論文を収録している点も本書の大きな特色のひとつで、美術史を志す学生はもちろんのこと、絵画研究のプロも必読の一書となっています。
【著者紹介】
田部 隆幸:1943年12月東京都生まれ。1966年3月武蔵工業大学(現東京都市大学)機械工学科卒業。1966年4月日本発条(株)入社。懸架用ばねの設計開発研究に従事し論文多数。国際標準ISOに、日本初「ばね(TC227)」を提案・承認。2007年定年退職。定年後、美術工芸の分野で活動をはじめる。日本・韓国の郵便試行印・試行ローラー印、小包郵便をはじめ、陶磁器「蹲」解明発表、モース博士の収集品随筆、谷本光生著『伊賀焼』に「伊賀の七不思議」執筆などで活躍中。東京民藝協会会員。大田区郷土の会の会員。日本陶磁協会会員。
目次
第1章 日本の焼絵(徳川譜代大名による焼絵の復興;江戸期焼絵の再興者 ほか)
第2章 中国の焼絵(大田蜀山人と清人銭徳位吉;陳毅作漢詩紅梅の焼絵 ほか)
第3章 朝鮮王朝時代の烙画(画冊 烙画花鳥図は再復興の長男?;日本民藝館蔵烙画「山水図」 ほか)
第4章 寄稿文・随筆(柳宗悦と朝鮮の焼絵竹(日本民藝館学芸員・村上豊隆)
朝鮮通信使と烙画の交流(元高麗美術館研究員、京都工芸繊維大学大学院デザイン学専攻・片山真理子) ほか)
第5章 焼絵のこれからとこれまでの掲載文献(焼絵の今後の対応;宮内庁書陵部蔵『聚遠雑記(附焼絵考)』 ほか)
著者等紹介
田部隆幸[タベタカユキ]
1943年12月東京都生まれ。1966年3月武蔵工業大学(現東京都市大学)機械工学科卒業。1966年4月日本発条(株)入社。懸架用ばねの設計開発研究に従事し論文多数。国際標準ISOに、日本初「ばね(TC227)」を提案・承認。2007年定年退職。定年後、美術工芸の分野で活動をはじめる。日本・韓国の郵便試行印・試行ローラー印、小包郵便をはじめ、陶磁器「蹲」解明発表、モース博士の収集品随筆、谷本光生著『伊賀焼』に「伊賀の七不思議」等、協力(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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