出版社内容情報
ウズベクのスザニ、インドのミラー刺繍、トルコのオヤ…アジア各地に受け継がれる伝統の手仕事は、手芸ファンを魅了してやみません。
モンゴル国の西端に位置するバヤン・ウルギーには、「カザフ」といわれる遊牧民族が今も牧畜を営みつつ暮らしています。
彼らは、遊牧、鷹匠、音楽、装飾など多くの独自文化を守り、発展させてきました。
そんなカザフの人々が愛しい家族のために制作する美しい刺繍。
現地では壁掛け布(トゥス・キーズ)として使用されますが、その大胆なデザインと色鮮やかさは圧巻の美しさです。
本書では、そんなカザフ刺繍の世界初の図案付き技法書として、
小ぶりでシンプルなモチーフから、複数のモチーフを組み合わせた大ぶりなデザインまで、全て図案付きで紹介。
基本的な作り方は、写真と説明でわかりやすく解説しながら、手持ちの服や小物にアレンジする方法まで幅広く網羅しています。
その大胆なデザインは、一見難しく見えるかもしれませんが、技法自体は大変シンプルなもの。
刺繍枠は画材用のキャンパス枠、刺繍針はレース編み用のかぎ針と、日本で手に入る手芸材料で作ることができるので、
刺繍初心者でも安心して始められます。
現地の美しい写真と文化背景を楽しみながら、実際に作品を作ることができる構成は、
世界の手仕事、手芸ファンはもちろん、文化資料としても活用いただける保存版です。
目次
1 カザフ人の装飾文化と刺繍(遊牧民族カザフ;カザフの遊牧文化 ほか)
2 カザフの伝統文様(縁に施す装飾模様;角の形状を用いた縁に施す装飾模様 ほか)
3 華麗なるトゥス・キーズの世界(カブディル・アイナグルの刺繍世界)
4 身近な服や小物に取り入れて(バッグ 花と葉の模様;ブラウス 花と葉の模様 ほか)
著者等紹介
廣田千恵子[ヒロタチエコ]
1988年生まれ。東京外国語大学モンゴル語科在籍中にモンゴル国に語学留学し、カザフ刺繍に出合う。その後、さらに2年間モンゴル国西部バヤン・ウルギー県にてカザフ人家庭に居候しながら、カザフの文様と装飾技法について学ぶ。2014年よりカザフ刺繍ワークショップや展覧会を全国各地で不定期に開催。2018年に師匠であるカブディル・アイナグル氏を日本に招聘するプロジェクトを行うなど、様々な形でカザフ文化の魅力を紹介する活動を継続している。NPO法人しゃがぁ専従スタッフを経て、現在は千葉大学大学院博士後期課程在籍中。日本学術振興会特別研究員DC2。「カザフ情報局KECTE」を通じて、カザフ文化に関する情報の発信を行う
アイナグル,カブディル[アイナグル,カブディル]
1963年、モンゴル国バヤン・ウルギー県ウルギー市生まれ。名前の意味は「鏡(アイナ)の花(グル)」。幼少の頃からカザフのかぎ針刺繍技法に興味を持ち、練習を重ねる。モスクワのデザイン学校に3年間留学し、帰国後に結婚。その後は劇場の衣装制作や専門学校での縫製の講師などを経て、1996年にウルギー市初のカザフ刺繍の専門店を開業した。現在は自宅にて制作活動を続けつつ、若い世代への指導なども行っている。布の上に文様を描くことなく、自由自在に刺繍することができる稀有な存在。2018年1月に日本に初来日し、全国7か所でカザフ刺繍ワークショップを開催。日本向けの商品の制作、販売も行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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