恐竜の描き方―ドラゴン&クリーチャーのファンタジー表現にも応用できる

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  • サイズ B5判/ページ数 144p/高さ 26cm
  • 商品コード 9784416113271
  • NDC分類 726.5
  • Cコード C0071

出版社内容情報

イラストレーションの世界で、ニッチな分野である古生物の復元画(恐竜)制作プロセスを、惜しみなく公開する類書皆無な一冊

ティラノサウルス、ブラキオサウルス、スミロドン、マンモスetc、絶滅した恐竜や哺乳類など、古生物の在りし日の姿を伝える唯一の方法が、サイエンティフィックイラストレーション(復元画)です。初めて描いた復元画は、1995年に開催された「絶滅した哺乳類たち」(国立科学博物館)展の図録用の「ステゴマストドン」という象の祖先でした。私はそれまでイラストレーションの分野に、復元画なる専門に特化した表現があるとは知らず、頭の中では軽く「象を描く」という意識しか無かったのです。骨格の比率や歯の位置、生え方などは関係なく、いわば「象に見えればいい」という適当な考えで作画したものでした。そのような取り組み方ですから、今回、監修をお願いしている冨田先生にお見せした際、かなりがっかりされたことを今でも覚えています。その後、過去に存在した在りし日の生物を描く「復元」という言葉に込められた沢山の想いに気がつき、古生物を描く魅力に引き込まれていったことは疑う余地もありません。本書はいわゆる描き方How to本になりますが、ただ描き方のプロセスを披露するのだけであれば、時間経過を画像でお見せするので事が足ります。しかし実際には、描くことは最終的な局面であり、それまでの復元に至るまで、様々な資料を経て、描く段階で拘っていた部分に焦点をしぼり、スケッチ段階の作例から監修を経るところもご覧いただきながら進めるという、一冊の形態にまとめました。(前文より)
著者は美術・デザイン系大学、デザイン専門学校にて教育現場のキャリアを積み重ねながら、デザイン制作の活動も積極的に行ってきました。商業広告のグラフィックデザインやクレイアニメーションの制作と並行して、復元画の世界に於いても多くの足跡を残してきました。1995年の「絶滅した大哺乳類たち」(国立科学博物館)でイラストレーションの実績を認められ、その後展覧会における復元画制作や多くの図鑑などの出版物のために原画を制作しています。中でも、2009年国立科学博物館、2010年大阪市立博物館で開かれた「大恐竜展」のポスターに使用された、マプサウルスの復元画は多くの人の心をとらえ、著者の代表作となりました。この本では、作者の描く復元画の過程を、ラフスケッチから監修を経て、出来上がるまでのプロセスを細かく紹介し、サイエンティフィックイラストレーターだけにとどまらず、広くイラストレーションを描くための参考書ともいえる内容となっています。特に絶滅した生物を描く際、リアリティを持たせるために準備しなければならない事柄や、監修を受けることの大切さ、資料収集と検証など、制作者が持つべき意識についての解説は必読であり、クリエイティブな分野に興味を抱くものにとり、大いに役に立つ一冊となります。

第1章:復元画の世界/これまで制作したイラストレーションから
第2章:復元画を描く/サイエンティフィックイラストレーションを描くための7つのルール
第3章:恐竜の復元画が描かれるまでの実際/下図の制作実例 ステゴサウルス・アマルガサウルス/彩色の実例 クリオロフォサウルス
第4章:いろいろな恐竜を描く/背景つきの復元画を描く/体の特徴を生かす/大空を飛ぶ翼竜を描く/大きさとバランスの描き分け
第5章:恐竜のドローイング作品集

【著者紹介】
1966年千葉県 市川市生まれ。1990年東京藝術大学美術学部デザイン科卒業 1992年東京藝術大学大学院形成デザイン専攻修了 1992~95年東京藝術大学美術学部デザイン科非常勤講師 1996~2000年東京デザイン専門学校非常勤講師 2000~2005年文化女子大学短期大学部生活造形学科グラフィックデザイン専攻専任講師 2005~2010年文化女子大学短期大学部生活造形学科専任准教授 2010年~東京工科大学デザイン学部専任准教授(現職) 所属学会:日本デザイン学会、日本創造学会 主な制作:図鑑NEO「恐竜」「大むかしの生き物たち」(小学館)、「ゴンドワナの大恐竜展2009」展復元画 主な著作:2010年「新刊 絶滅哺乳類図鑑」(丸善出版) 著作・冨田幸光/イラストレーション 伊藤丙雄・岡本泰子

目次

1 復元画の世界
2 復元画を描くということ(描くためのテクニック;サイエンティフィックイラストレーションであるための7つのルール)
3 復元画が描かれるまで(下絵編(ステゴサウルス;アマルガサウルス)
彩色編)
4 いろいろな恐竜を描く(ティラノサウルス;ウネンラギア;カルノタウルス;ベロキラプトル;スピノサウルス;トリケラトプス ほか)
5 これまでに制作した復元画より(恐竜の各部位と骨格の名称)

著者等紹介

伊藤丙雄[イトウアキオ]
東京工科大学デザイン学部准教授。1966年、千葉県市川市に生まれる。1990年東京藝術大学美術学部デザイン科卒業、1992年同大学院形成デザイン専攻修了。1992年より1995年まで東京芸術大学美術学部デザイン科非常勤講師、2010年より東京工科大学デザイン学部准教授(現職)。日本デザイン学会会員。専門領域:イラストレーションおよびグラフィックデザイン

冨田幸光[トミダユキミツ]
国立科学博物館生命進化史研究グループ長。1950年、愛知県瀬戸市に生まれる。横浜国立大学教育学部卒業後、米国アリゾナ大学大学院に留学。博士課程修了(Ph.D.)。1981年より国立科学博物館研究官、1995年同館古生物第三研究室長、2012年より同館生命進化史研究グループ長(現職)。専門は古脊椎動物学(特に哺乳類化石)。国内各地のほか、これまでにアメリカのロッキー山脈地域、パキスタンのシワリク地域、モンゴルのゴビ砂漠、中国の内蒙古と安徽省などで野外調査をするとともに、小型哺乳類や古第三紀の古い哺乳類の化石を中心に研究を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

gachin

1
恐竜展で展示されるには十分迫力があるし、形態もそこそこ正確。でも、やっぱり復元画には根拠となる背景知識(骨格図や産出部位など)を併置して欲しい。/ 良いことが多く書いてある。「地面→頭→体幹→四肢」の順で描くというは至言。/ 初期のタッチが田中愛望さんに似てたけど、本書では小田先生に似てる。「恐竜を描く」以外に芯が無いと良い絵は描けないのかもしれない。良くも悪くも書名通りで、職業訓練マニュアルみたいな本。大学に対するところの専門学校みたいな感じ。/ ただ、この人の描く角竜のフリルだけはとても魅力的。 2021/07/15

memeta

0
すごい。うまい。色塗りの手順が詳細で、見てると自分でもかけそうな気になる。2015/06/07

七月

0
図書館本。完全アナログの手法です。あまりに精巧なのでCGだと思ってた… 復元画とはそもそもなんぞ、というところから説明してくれているのでなかなか興味深かった。内容は詳しい技法と言うよりこんな感じだよ~、という手順を追ってる感じ。参考にするにはレベルが高い気がしたので絵具イラストをある程度使いこなしている方向けかもしれません。面白い。2013/12/26

hyde

0
表紙のイラストに惹かれて手に取った。 始めの方に恐竜の名前と、ちょっとした情報がイラストと一緒に載っている。 名前の下にある名前の由来が面白かった。 〜のトカゲっていうのが多かった。 イラストを見ているだけでも楽しいと思う。2018/04/03

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