内容説明
明智光秀の重臣斎藤利三の娘として、貞女のなんたるかを躾けられた春日局は、幼くして父を失い、謀反人の娘として流浪の日々をひっそりとかくれるように生きてきた。長じてからは、夫の不実に悩み、失意のうちに婚家を出奔。のち、板倉勝重の幹旋で家光の乳母として大奥にのぼった。自分を慕うあまり実の両親に疎まれた家光をひたすら庇い、将軍継承問題では身を呈して家光を救い、やがて、家光の絶大な信頼を得て大年寄として大奥に君臨する。本書は、徳川三代将軍家光の乳母となり、卓抜した政治力と鉄のような意志をもって大奥を取りしきった女傑の生涯を描き、実像に迫る。
目次
光秀夫人
落城
流転
南国の人々
三条西家
光源氏
夢
後添い
妻の道
重責
備前のできごと
失望
別れ道
若君誕生
感泣
次なる子
伊勢まいり
直訴
まだ見ぬ姉
将軍教育
守り神
元服
愚母
京の女
怨讐を越えて
誓い
おふく上洛
親心
明暗
世継ぎ
頑なに
春日局年表
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- 和書
- カルデア人のウル