内容説明
ビオン理論は、難解で知られている。アルファ機能、ベータ要素など、その用語の選択も硬質で、他を寄せ付けないところがある。本書は、そのビオン理論を、情動的に噛み砕こうとしたものである。「不在の乳房」―ビオンの生の実存と理論を通底する、“血球と共にめぐる真実”(小林秀雄)に触れていただきたい。
目次
序章 ビオンへの助走
第1章 「不在の乳房」の原体験
第2章 「原始心的マトリックス」から「体制乳房」へ
第3章 「体制乳房」との創造的インターコースと「不在の乳房」の結晶化
第4章 “抑うつ的次元”としての「不在の乳房」
第5章 「不在の乳房」の抑うつ的頂点とその出立
第6章 「不在の乳房」の“未来の影”
終わりに代えて―“不在”を巡る断想
著者等紹介
祖父江典人[ソブエノリヒト]
1957年生まれる。1980年東京都立大学人文学部卒業。現在、愛知県立大学教育福祉学部教授、名古屋心理療法研究所、博士(心理学)。専攻は臨床精神分析学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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