内容説明
国産初のSTOL(エストール)機「飛鳥」開発に賭けた男たち―。「自主技術を育てるんだ」―20年の歳月には、開発者たちの絶え間ない苦闘と執念があふれていた。技術立国・日本の進むべき道を描く意欲作。
目次
第1部 「欧米諸国に立ち遅れた航空技術を引き上げる」武田峻をリーダーとする通称“武田プロジェクト”が小さな芽をふいたのは、昭和40年の春だった
第2部 昭和46年、「航空機用ジェットエンジンの開発・研究」が通産省の大型プロジェクトになった。航技研の島崎忠雄、松本正勝の苦闘の日々がつづく
第3部 51年春、STOL実験機の原型機としてC1の採用を決定。航技研と川崎重工の平木敏夫をはじめとする航空メーカー4社で新技術開発がすすむ
第4部 石川島播磨重工の宮武宏和を中心に、日本ではじめてのエンジンの防氷試験、雹吸込み試験、鳥衝突試験が連日繰り返されたが、さまざまな障害が
第5部 60年10月27日、「飛鳥」初飛行を翌早朝に控え、最後の打ち合わせが行なわれた。飛行データをモニターしたいという森幹彦の主張は通らない