内容説明
くたばれ、うつ病!奇才・中島らもが綴った波乱万丈・奇想天外の躁うつ人生。
目次
1 “それ”は突然やってくる
2 抗うつ剤でタリラリラン
3 うつの捲土重来
4 曇り、のち突然、躁
5 躁はまだまだ止まらない
6 上手な心の飼い慣らし方
終 予後は視界良好
対談 「うつ」との時間無制限一本勝負―中島らもvs.精神科医・芝伸太郎
著者等紹介
中島らも[ナカジマラモ]
1952年、兵庫県尼崎市生まれ。大阪芸術大学放送学科卒業。92年『今夜、すべてのバーで』で第13回吉川英治文学新人賞、94年『ガダラの豚』で第47回日本推理作家協会賞(長編部門)をそれぞれ受賞。作家活動のほか、劇団「笑殺劇団リリパットアーミー」やロックバンド「PISS」を結成。2004年7月26日、転落事故による脳挫傷などのため急逝、享年52歳
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yoshida
156
中島らもさん自身の躁鬱病、アルコール依存症の体験記。らもさんの軽妙な語り口で書かれているが、内容は壮絶だ。著名ならもさんが、ここまで自身の経験を克明に記載し出版してくれた事は精神疾患への対処と理解に大きな影響があると思う。特に自死を決意し大量の冷や汗が流れる場面、躁状態が進展して「いっちゃっている」状態になってしまった場面は壮絶である。この作品は、うつ病は治療すれば治る病気と前向きに締め括られる。私も抑うつ状態となり、休職し復職。投薬を続けている。この作品に何度も励まされた。多くの方に読まれて欲しい作品。2016/12/21
nuit@積読消化中
94
らもさんのエッセイはおもしろい。アルコールやら薬物依存やら、躁鬱病になってしまったお話とか、本当はとても大変なことになのに、肥やしにして楽しんでいる。そして、海外ロケでの話など、楽しめる時代だったのかもしれない。当時テレビで拝見するらもさんは、ホント、常に酔っぱらってるかのような状態で、けど次々と作品も生み出すし、すごいおっさんだな、と思ってました。しかし、それがあっという間に亡くなってしまい、今でもそのニュースは憶えてます。巻末の本上まなみさんのらもさんへの贈る言葉もほっこりしてて良かったです。2019/04/21
テツ
37
中島らものエッセイ。アルコール中毒。躁鬱の病。なんというか自分の世界をどう捉えるのかというのは、全て自分に由来するんだなあと。楽しむのか苦しむのか。周囲なんて関係ない。全ては自分で決定することができる。めちゃくちゃに生きたことが彼の創作の肥やしにはなったんだろうし、彼の人生が全て不幸だとは決して思わないけれど、もう少しだけ身体に気をつけて長生きしてことばを生み出して欲しかったな。自らの全てをすり減らして書いていたであろうきもちをもう少しだけ読んでみたかった。つくづく惜しい。2019/07/19
黒猫
34
中島らもさんの躁鬱病の体験記。なぜ廃版なのかわからない。めちゃめちゃ勇気をもらえるのに。明るい悩み相談室をやっていた時に、うつ病になっていたとは思わなかったし、アル中の中で「今夜全てのバーで」を書き上げたり、ガダラの豚、頭の中がかゆいんだ、等の名作は全てらもさんが心をすり減らしながら書いたものなんだと再認識しました。らもさんはこの世にいませんが今の精神疾患の多さを予見しているエッセイ。読みやすいしオススメしたいと思います。絶版なのはあまりに惜しい。図書館などで借りて皆さんに読んで欲しい本です。2018/03/16
黒猫
33
再読。らもさんの躁鬱病体験記。とともに自伝的なエッセイ?体をアルコールに染めながら、アイディアを出す創作活動は体を痛めつけ、らもさんの天寿を早めたのかな。でも、らもさんの作風は普通の作家さんが書くのとは明らかに違います。今でも異彩を放っています。中島らもという作家さんが現在にも愛されているのは、この生き方とそれに伴う作風だからに他ならない。らもさんは大好きだけど、この作風は自分の命と共にあった。今夜すべてのバーでを始めとした作品の数々。身を削りながら逝ってしまったらもさんの本をこれからも愛します。2018/04/10
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