内容説明
結婚して8年、凪にような日々を送るわたしたち(目下の懸念は、セックスレスになりつつあること)。そんな夫婦の日常に舞いこんだ出来事―姑との同居、奥さん友達出奔事件、双方の母親を連れた温泉旅行etc.―が、二人の間にもたらしたものとは?「夫婦」という関係に潜む、あやうさやさみしさを浮かびあがらせながら、その確かな「つながり」を軽やかに描きだした長編小説。
著者等紹介
野中ともそ[ノナカトモソ]
東京都生まれ。明治大学文学部卒業。1998年『パンの鳴る海、緋の舞う空』で第11回小説すばる新人賞を受賞してデビュー。現在、ニューヨーク在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
らむり
35
これはモーレツに面白くなかった。。主人公の「妻」に共感も同情もできないわ。2014/07/16
まる
32
読むのに時間がかかってしまいました。読みにくいというわけでもないのに、不思議。環境は違えど共感するところもあり。私もつまのつもり、だなあ。善なる妻からの囁きをいかに無視できるかが自由への道かな。2018/03/06
なつ
21
もしかして私も「つまのつもり」なのかも、とちょっと思ってしまった。わかるようなわからないような。でもたぶん夫だって「おっとのつもり」かもしれない。わかってるようで実はわかってわかってなかったり。お互い、言いたいことは山のようにあるけれど、面倒な喧嘩をしたくないから、諦めのように飲み込む。結婚も続けばそんなもんだ、きっと。2017/04/21
傘介
15
文体のリズム感にはまった~。何が起こるわけでもない夫婦間の他愛ない日常だが、光る表現が満載。帯にある「女だったころは勇敢だったのに、妻になったらへたれになった」とか「でも結局、夫婦なんて肩透かしの連続なのかもしれない。」等。よき妻であるべくじたばたする妻に心の声が「それでもつまのつもり?」とねちねち問い詰める下りなどはユーモアを含んだエッセイ風だが、読み進むうち危うさや寂しさが滲み出てくる。夫婦だけでなく母や義母との関係を描いた家族小説。最後のセックスレスの捉え方も唸った。野中さんの新境地だ。2014/06/12
niisun
7
ちょっと新鮮味のある文章だなぁ〜と読み進め、途中、変化のない文体に中だるみ感を覚えつつも、ラストの盛り上げはなかなか私の好みでした♪ 徹頭徹尾、妻の目線で語られるのが、男の私にはちょっと疲れますが、妻の目線に立つ修行?ととらえれば、良い勉強かもしれませんね(笑) 個性の片鱗は、まだ見え隠れしている感じですが、もう何作品か書いて行いうちに明確になってくる作家さんのような期待を感じます。2014/06/28
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