感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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8
「野人微賤の一子女、呱々一声、すでにすでに命、世界にかかるにあらずや」と、人の一生はどの地に産まれようとも必ず世界と関わっている事を指摘する。自分の着ている衣服から、綿を作ったインドの人を思い浮かべる事が出来る小学校の教員だ。彼に地理を教えられた子は瞬時に世界との繋がりを感じた事だろう。また帝国主義の時代を評して「人の物を盗むものは盗として罪せらるるも、人の国を奪うものは、かえって強として畏敬せらるる時世にあらずや」と。真の愛国心とは、世界をも愛す人物の持ち得るものか。2017/02/07
こうきち
1
文庫版は絶版とのことで、記念に全巻揃えてみました。(今後はKindle版をとのこと)。再読。面白かった。何度も読まないと、内容の深さが理解できないところがあるな。2019/04/05
こうきち
1
難しかったけど、面白かった2016/02/19
wiki
1
巻頭の志賀重昂の序文中に、著者との邂逅が描かれている。著者の、自身の専門に対する情熱に驚きを禁じえない。こんな人がいたのか。明治時代の人らしい、愛国心と大志大望が文章から感じられる。内容は、3回読んでやっと掴めてきた感じ。注釈はあるけれども、慣れない文体で読むのに苦労が多かった。人間の生活と地理との関係性について。島国根性については、成る程と思う。まるで触れたことのない世界だった。著者は小学校の校長をされた方との事で、こんな人の地理の授業ならさぞ楽しいのだろう、受けてみたかったと思いながら読了。2016/03/01
がんぞ
0
牧口も神格化ならぬ仏格化がすすみ、大石寺入門前のこの本も「歴史的名著」と聖教新聞などに書かれているが、通読したところ明治時代らしい愛国的一般的啓蒙書という以上のものではない。「太陽」の項に「日蓮が…微妙の感発をなしたりといい」、「半島」の項に「房総半島の南端より宗教改革の巨人(日蓮)を出したるがごとき」とあるように北海道育ちゆえか、幼少から愛国心とあいまって日蓮信仰に触れていたことがうかがわれるのが興味深い。2011/10/31