内容説明
都市を貫く淀川の流れは、常に人びとの生活と綯い合わされる。『淀川両岸一覧』の美しい挿絵で甦る江戸時代の風景に、変わらぬ名所旧跡や失われた眺望、当時の営みを見出し、現在に至るまでの人と川との関わりを想像してみたい。
目次
1 淀川 都市を貫く流れ(淀川ある記)
2 絵図からみた淀川(「名所図会」と大阪;大川ゾーン;淀川ゾーン)
3 移りゆく流れとその眺め(三川合流をめぐる景観の変遷;「川の道」淀川と枚方の宿;水都大阪のいま)
著者等紹介
西野由紀[ニシノユキ]
1971年大阪府生れ。天理大学准教授。専門は日本近世文学、情報出版学、図像解釈学
鈴木康久[スズキミチヒサ]
1960年京都府生れ。水文化研究家、京都府職員。カッパ研究会世話人、琵琶湖・淀川流域圏連携交流会代表幹事など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yyrn
2
降った雨は河川を通して一気に海まで流すという発想で整備が進む日本の河川。それに疑問を呈する文章が冒頭にあるが、これを書いたのは国土交通省OBだ。自戒を込めてそう思うのだそうだが、いとも簡単に越えられてしまう「想定」にどんな意味があるのか。「剛」ではなく「柔」で対応すべきだと作者は云うが、では具体的にどうすればよいのか?ちなみに、この本は絵図『淀川両岸一覧』の美しい挿絵を紹介解説しているほか、「名所図会」や古い絵はがきなど豊富な図版で各時代の変遷を見せてくれる。こちらが本題の本です。2014/02/21
わ!
0
良い本である。特に私のような、大阪中の神社を周り、個々の歴史などを調べている者にとっては、欠かせない資料である。この本のメインは「淀川両岸一覧」という江戸末期に作られたいわゆる名所図会の一つである本と現在のその辺りの風景との対比にある。それはもうべらぼうに変わってしまっているのだが、変わっているのは変わっているだけに歴史を含んでいるところがまた、淀川という随一の河の面白いところである。2012/06/10
-
- 電子書籍
- 昴(2) ビッグコミックス
-
- 電子書籍
- 復刊 この子らを世の光に―近江学園二十…