内容説明
天皇制、仏教思想と相互に補完しあいながら地下水脈の如き形で時代をこえてきた武士道。思想倫理であるだけでなく、制度そのものであり、文化である武士道。その生々しいまでの情誼的結合の精神的風土はいかなるものであったのか?平将門から西郷隆盛にいたるまでの一千年間の政治・経済・文化の分析から、武士の社会形態と同性への恋情をもふまえた特有の情念を語り、武士道の本質に鋭く斬り込む。
目次
第1章 海行かば―戦士の美意識
第2章 草燃ゆる―武士の登場
第3章 いざ鎌倉―身分の成立
第4章 明日は明日の風が吹く―叛覆常なし、流動する階層
第5章 仏と侍―戦闘そして救済
第6章 武士は食わねど―戦士そして治者
第7章 武士も食わねば―治者そして戦士
第8章 討ちてしやまん―革命
第9章 山行かば―武士と天皇
第10章 友は恋人―社会的衝動としての同性愛
第11章 われときみ―思想としての武士道
著者等紹介
中本征利[ナカモトマサトシ]
1942年神戸市に生れる。1966年京都大学医学部卒業。1976年大阪近郊尼崎にて精神分析クリニークを開業し今日に至る。その間豊岡病院・三国ヶ丘病院・北野病院神経精神科(副部長)に勤務。1985年より1995年まで大阪精神分析ゼミナールを主催。現在治療分析の傍ら教育分析及び個人指導によるスーパーヴィジョンも行う。大阪市立大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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