内容説明
地球規模の環境問題である熱帯・亜熱帯林の劣化・減少にたいし私たちはどう対処すればよいのか。本書では、気候帯のちがう島嶼部のボルネオ島と大陸部のラオス、中国の事例を取りあげ、大胆な二地域間の比較を試みる。異なる条件にある森林と森をめぐる人びとの営みを森林史的・政治生態学的に分析し、地域を超えた解決の糸口をさぐる。森を通じて世界との関わりを考える森林研究の新しい地平へ向けて。
目次
序章 東南アジアの森に何が起こっているか―熱帯雨林とモンスーン林からの報告
第1章 メコン流域からスンダランドへ
第2章 森林産物利用の社会経済史
第3章 森にすむ人びとの知恵を探る
第4章 森とエコ・ポリティクス
第5章 開発の波の進行
終章 東南アジアの森と暮らしの変化
著者等紹介
秋道智彌[アキミチトモヤ]
1946年生。東京大学大学院理学系研究科人類学博士課程修了。理学博士。総合地球環境学研究所副所長。生態人類学
市川昌広[イチカワマサヒロ]
1962年生。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。博士(人間・環境学)。総合地球環境学研究所准教授。東南アジア島嶼部地域研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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サメ社会学者Ricky
3
再読。東南アジア諸国の森林管理とその国際的な枠組みの可能性について書くために読んだが、日本の林業の衰退や、森林を伐採資源としか見ない中国の姿勢もこの問題には絡んでいることが節々から伺える。もっと広い範囲の地域主義で見直した方が良いかもしれない。2014/07/16
たけのこ
1
2000年頃までの東南アジア各国の森林の動向がわかる。自然環境そのものの情報を期待したが、むしろ現地原住民の暮らしや、現地住民と、大企業や国の土地制度の対立にフォーカスした内容だった。それにより現地の問題の複雑さが少し見えた…気がする。(真面目な内容メモは自分用に別途保存。)2019/05/30
サメ社会学者Ricky
1
東南アジアの森の中の、人々の文化、そして開発によって変わりゆく森の姿と、その背景にある利害関係や伝統について書かれた本。各章の著者が異なるため、頭がすこし右往左往した。それでも、単純に「自然保護vs発展開発」だけで終われない何かがあるのだと感じることができた。2014/06/24
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