内容説明
倭記事史料の批判的検討を通して、古代東アジアの歴史を根本から問い直す。
目次
序章 古代東アジア史の研究をめぐって(歪められた古代史)
第1部 中国史書にみえる倭(中国古典の朝鮮と倭;倭人のふるさと考;中国史書にあらわれた〈倭人伝〉)
第2部 朝鮮史書にみえる倭(朝鮮文献で見た5世紀までの倭;『三国遺事』の倭・日本の地理的位置)
第3部 日本史書にみえる倭(記紀にみえる「倭」;人名の「倭」;地名の「倭」)
感想・レビュー
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hyena_no_papa
3
朝鮮史を中心とした東アジア史の専門家である著者の1973年から1985年にかけての論集。タイトルに有る通り倭・倭人・倭国を広く史料に基づいて採り上げ、それぞれの意味するところを深く論究する。中でも興味を引くのが『旧唐書』に見える倭国と日本国を別物として捉え、前者を北九州の大宰府外交、後者を大和朝廷の直接外交として切り分けようとする点。これは1973年古田武彦氏が発表した『失われた九州王朝』に通じるものか?『隋書』裴世清の道行き文や推古紀を見れば筑紫に主体的外交を見るのは不可と言えようが、読んで有益は確実!2023/09/07