内容説明
日清・日露戦争前後、東京・本郷教会にあって海老名弾正は、「忠君愛国の国民道徳の高調」を掲げてキリスト教啓蒙誌『新人』を、のち女性信徒に向けて『新女界』を発行した。本書は、帝国主義・社会主義・日本主義という時代思潮を背景に、両雑誌の主張、本郷教会会員の構成、女性信者の生き方など意義と性格を多面的に研究し、日本近代の信仰と世論にキリスト教の果たした役割を明らかにする。
目次
『新人』の意義と性格
『新女界』の始終
『新人』における宗教思想
『新人』とドイツ宗教哲学―オイケンの場合
『新人』『新女界』における宗教と美術
『新人』に見る時代思潮―明治・大正代替りを中心に
1918年以降の『新人』の平和論―イギリスの理想主義的平和論との比較
『新人』とアメリカ
『新人』『新女界』における女子教育論
「ホーム」の創造―キリスト教と日本近代家族の形成〔ほか〕