出版社内容情報
日本仏教史上傑出した二人の宗教者の思想を、仏教の開祖である釈迦の説く原点に遡行して捉え直す。
内容説明
熱烈な信仰者であり、反面革新的な、信仰の破壊者でもあった日本仏教史上傑出した二人の宗教者。インド起源に立ちかえり、大乗仏教の一大思想運動の展開の中に二人を置いて初めて見えてくる独特の救済の思想。
目次
第1章 時代と人
第2章 縁起無我から般若空へ
第3章 生ける仏陀を求めて―菩薩と法身
第4章 眼に見える仏様―浄土教の世界
第5章 大いなる時―法華経との対話
第6章 大和の仏―仏教伝来
第7章 親鸞、我は仏なり
第8章 日蓮、我は仏なり
第9章 親鸞/日蓮
著者等紹介
中本征利[ナカモトマサトシ]
1942年神戸市に生れる。1966年京都大学医学部卒業。1976年大阪近郊尼崎にて精神分析クリニークを開業し今日に至る。その間豊岡病院・三国ヶ丘病院・北野病院神経精神科(副部長)に勤務。山村道雄氏に教育分析を受ける。1985年より1995年まで大阪精神分析ゼミナールを主催し後進の指導に当たる。現在治療分析の傍ら教育分析及び個人指導によるスーパーヴィジョンも行う。大阪市立大学非常勤講師
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感想・レビュー
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空猫
6
日蓮と親鸞の思想が仏教的救済の論理・手段を突き詰めた到達点であると示す考察。タイトルは2人だが論考は釈迦から始まる仏教思想をそれが展開した約2000年間のインド・西域・中国・日本の政治・風土史と絡めながら概観する長大なもの。著者の仏教・哲学・歴史・地理に関する教養もさることながら、本職の精神科医としての洞察が特に面白い。祖師たちをまるで精神分析にかけているような記述さえある。今では尊敬・崇拝対象ですらある彼らもただの悩める人間であったわけだから当然だし、実はそここそが救済の法理の肝だとも感じる。2025/04/03
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