内容説明
いままた心理療法のホットな焦点となっている「共感」の問題―本書はこのテーマを精神分析の観点から取り上げ、臨床場面で治療者がどのように患者やクライエントに共感していくのか、その過程はどのように進んでいくのかを、正統派の精神分析とコフートなどの自己心理学の見解をバランスよく用いながら、理論的・実践的に充実した再検討を加えている。精神分析に馴染みが薄い心理療法家にも、実践の上で、広く、豊かな、デリケートな示唆を随所に受け取ることができる、いまもっとも現代的な臨床課題を伝える一冊。
目次
第1部 共感の概念(患者を知ること;正統派の共感概念;自己心理学における共感;共感の議論に寄与する要因 ほか)
第2部 臨床場面における共感的理解(患者の世界に入る;共感と理解のレベル;共感の焦点となる治療上の葛藤的相互交流;葛藤から見た欠損への共感 ほか)
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- 和書
- ただ一人の幻影 徳間文庫