アシジの聖フランチェスコ

アシジの聖フランチェスコ

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  • サイズ B6判/ページ数 471p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784409140246
  • NDC分類 198.25

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

syaori

74
13世紀、教会は聖職売買・妻帯など汚職と汚辱に満ち、カタリ派等の異端が新しい信仰を呼ばわる時代に教会への服従と福音書への復帰を説いた聖人の生涯が語られます。彼は奢侈と快楽に過ごした青年時代と地続きの、回心後も以前の弱点を持つ人物、一面での「私たち自身の姿」として描かれて、欲から逃れられずとも彼に倣うことはできるのだという作者の思いを感じるよう。それは彼の理想が活動の拡大と多様化、利害から歪められ、現在も相も変らぬ世界に暮す我々へ変化は「始まったばかりなのだ」という作者の言葉にも現れているように思いました。2023/05/18

松本直哉

22
「肉体こそが敵だ」として凍った川に身を浸すことで肉欲への傾斜を戒めるところは同時代のカタリ派の肉体蔑視を想起させる一方で、動物や鳥さえも慈しみ自然物を兄弟と呼びかける形而下のものへの愛ももつ二面性。階層的組織の修道会(ordre)を嫌い、穏やかな無政府状態の兄弟会(fraternité) を志向するところは異端と紙一重だが、教皇の権威は疑わず修道会の設立を認められる。いずれにせよ、奢侈と淫蕩で腐敗した13世紀のカトリック教会で無所有と粗末な衣服の「狂人」のメッセージが新鮮で強烈な印象を与えたことは疑いない2017/07/23

rinakko

5
“信じがたいことであった。彼は神に惚れこんでいた。でも、それだけではないのだ。何しろ、このうたうような美しい声をした狂人は、限界をことごとく乗り越えていたのだ。彼が言うのに、神もまた人間に惚れこんでおられるのだ。そして突然彼は泣きはじめた。愛の涙であった。” “あらゆる聖人のなかでももっとも人から愛される彼は、不可視の世界と同様目に見える世界の偉大な愛好者以外の何ものでもなかった。”2023/06/21

amanon

4
非常に重厚な内容で、読み応えがあった。聖フランチェスコの伝記はどれも一定の魅力を持っているが、中でも本書は白眉と言えるだろう。ただ、個人的にはかなりの紙幅を占める歴史的背景の叙述部分が読みづらかったけど。後、他の類書ではかなり重点的に描かれるキアラ及び兄弟ジャコマとの関係が不当と思えるほど控えめにしか描かれていないのがちと不満。ただ、これは著者が同性愛者であることが関係しているのでは?と邪推するのだが。それはともかくとして、本書を通じて露わになるフランチェスコの生き方と人となりは今でも深く人の心を打つ。2016/07/27

午後

0
映画、ゴダールのマリアで出てきて気になったので読みました。質素で信心深いフランチェスコの姿の美しさに、心を打たれました。アウグスティヌスの告白を読んだ時も思ったのですが、後の世に語り継がれるほどの聖人であっても、若い頃にはやんちゃしていたというのが面白いです。

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