戦後前衛映画と文学―安部公房×勅使河原宏

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  • サイズ B6判/ページ数 361p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784409100301
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C3074

内容説明

旺盛な執筆活動の一報、言語と映像の弁証法という視点からリアリズムや記録芸術に取り組んだ安部公房は、その最盛期を、勅使河原宏監督とともに駆け抜けた。原作者・脚本家としての安部公房と解釈者・映像作家としての勅使河原宏。彼らがのこした作品(小説・シナリオ・映画・写真・絵画)を、協働(コラボレーション)の角度から多面的かつ往還的に読解していく。安部公房研究にまったく新しい視点を投げかける意欲作であるとともに、モンタージュ論、ドキュメンタリー論など、映像論、映画論研究のうえでも、重要な著作となる。

目次

第1章 協働の序幕
第2章 文学と映画の弁証法
第3章 記録と幻想の地底から―『おとし穴』論
第4章 流動する風景と身体―『砂の女』論
第5章 身体の変貌と言語―小説『他人の顔』論
第6章 映像のなかの原爆乙女―映画『他人の顔』論
第7章 映画的手法の小説化―『燃えつきた地図』論

著者等紹介

友田義行[トモダヨシユキ]
1979年、奈良県生まれ。立命館大学大学院文学研究科日本文学専攻博士課程後期課程修了。博士(文学)。現在、立命館大学・京都橘大学・花園大学非常勤講師、立命館大学国際言語文化研究所客員研究員。2012年度より日本学術振興会特別研究員(PD)。日本近現代文学・映画研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ハチアカデミー

7
安部公房と勅使河原宏の共作関係から、それぞれの作品を比較考察する論集。当時の時代考証が適度に挟まれるため、映画を見ていないコウボリアン(私自身)でも十二分に楽しめた。小説作品の考察も刺激的であったが、やはり映画化された作品の比較によって浮かび上がる、公房の意図/勅使河原の意図の共通点とズレが指摘されるため、より多角的な作品論を楽しんだ。強いて言えば、映画との関係を除けば目新しい事実や考察が少ない点は物足りなかったが、ある時期までの通史としてまとまっているので、入門書としても読めるかも知れない。2013/04/16

Mark.jr

1
そのシュルレアリスム的世界観で初めて同時代の世界文学と同等に評価された安部公房。代表作「砂の女」を含む安部作品を映像化し、これまた世界的に評価された勅使河原宏。他の前衛文学とその映画化まで話を広げるのではなく、終始徹底して両者のコラボレートに焦点を当て、文学でなくどちらかというと映像分野の観点から考察した、硬派な本です。2020/10/11

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