内容説明
20世紀の科学やテクノロジーが逢着したさまざまな壁、特に人間のスピリチュアルな問題は、世紀を超えて現代の思想状況のなかでますます大きな重要性を占めている。先端医療が突きつける数々の難問から、現代人の人生像、アイデンティティのあり方まで、医療、宗教、哲学、臨床心理がかかえる諸局面を横断して、霊性問題の歴史的、現代的広がりとそれが提示する論点を集約した意欲の論集。
目次
霊性問題の歴史と現在
スピリチュアリティとキリスト教―身体性と三位一体論の関連を通して
先端医療技術の倫理と宗教―いのちの始まりとスピリチュアリティ
「スピリチュアリティ」を使う人々―普及の試みと標準化の試みをめぐって
精神医学とスピリチュアリティ
ユングと自己のスピリチュアリティ―自己の四つの位相をめぐって
フェミニスト神学の視点から社会倫理を再考する―スピリチュアリティ・平和をめぐって
人生物語としてのスピリチュアリティ―現代医療の現場で
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミツキ
1
1998年にWHOが健康の新しい定義に「spirituality」と「dynamic」を盛り込むことを検討した背景と意図(特に前者の)にたびたび触れられてあり、参考になる。スピリチュアリティとは何の謂いか、また既存の学問とどう関連するのかについて様々な論者が述べてある。2015/11/08
approach_ys
0
WHOが健康の定義にスピリチュアリティという言葉を加えようとしたのが、98年のことらしい。 「健康とは、身体的、心的、スピリチュアル、社会的という4つの領域での動的なまったき良好状態のことである。」 日本ではスピリチュアルという言葉は敬遠されることもあるが、現代社会に一番足りていないのスピリチュアリティだと思う。 久しぶりに読んでる本に付箋をいくつかつけた。折に触れて、読み返したい。2018/09/23
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- 和書
- 毛皮をきたともだち …