内容説明
バンパイア隊は、敵機を認めたと同時に早くも戦闘に巻き込まれていた。敵機は銀色の翼をきらめかせて、まるでチキンランでもやるかのように一直線に突っ込んでくると、バンパイアがその迫力にひるんで思わず機体を上昇させた瞬間、するりと反転してぴたりと後ろに食らいついたのである。その瞬間バンパイアの運命は定まった。五〇ミリ弾が一発だけ撃ちこまれると、バンパイアの胴体の中で炸裂、燃料が誘爆して火の玉と化した。まず一機のバンパイアが落ちていき、それから一方的な殺戮が始まった。
著者等紹介
田中光二[タナカコウジ]
昭和16年2月14日、京城生まれ。早稲田大学第二文学部卒。『黄金の罠』で第1回吉川英治文学新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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