内容説明
敵機の編隊が、さらに距離を詰めてくる。先に迫ってくるのは逆ガル型の主翼を持つ新型戦闘機だった。その後方には、双胴双発の機影が見えた。ニューギニア上空で遭遇し、手痛い目に遭ったロッキードＰ‐３８「ライトニング」戦闘機だ。逆ガル型の戦闘機が、三〇〇メートルほどの距離まで追いすがった。もはや機銃の射程距離内だ。零戦隊は、その瞬間を待っていた。「散れっ！」四段の高度差を保って急降下していた３６機の零戦二一型は、隊長の号令一下、高度を落としながら左右に散った。
著者等紹介
菅谷充［スガヤミツル］
１９５０年、静岡県生まれ。小学生のとき松本零士氏の戦記漫画に憧れ、航空戦記漫画を描き始める。高校時代から石ノ森章太郎氏に師事し、’７２年『仮面ライダー』（原作・石ノ森章太郎）で漫画家デビュー。’８３年『ゲームセンターあらし』で第２８回小学館漫画賞受賞。’９４年、近未来航空戦記『漆黒の独立航空隊』（有楽出版社）で小説家デビュー。以後、架空戦記と自動車レース小説を多数執筆
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