内容説明
偽りの平和が始まった。米艦隊は命中率を高めるために、接近戦に持ち込もうとしているのは明白だ。もしその相手をしたら圧倒的な砲の数で必ず負ける。「機関長、占守に着くためには、あと何時間、第四戦速航行ができる」木村指令が伝声管の機関長に訊いた。すぐに返事が返ってくる。「二時間です。後を二十三ノット以内航行が条件です」久しぶりに見る木村指令の苦悩である。頭を押さえ、ため息をして悩む姿がそこにあった。米艦隊はどの艦も燃料を満載にしてこの海戦に臨んでいるにちがいない。
著者等紹介
小林たけし[コバヤシタケシ]
昭和31年、東京生まれ。有名進学校を卒業するも大学進学をせず、漫画家をめざす。やがて戦記漫画家として作風を確立。日本出版、立風書房、学研出版から多数刊行
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- 姉フレンド 95号