内容説明
古都金沢の夜、九谷焼の工房のなかは、しいんとして更けていく。むきだしになった固い蕾に、息がかかった。だが北原は見つめているだけだった。なにもしなかった。だがあそこを見られている、と思うだけで、塔子の腿がふるえた。ふと、塔子は濡れた秘唇のにおいを嗅いだ。自分のにおいだ。視線がそこに刺さり、うるみをこぼれさせる。さらされたまま、いつまでも肝心な場所に触れようとしない指がもどかしかった。傷心の美貌のOLが旅先の金沢でめぐりあった九谷焼の陶工と、めくるめき一夜を持ち…。
古都金沢の夜、九谷焼の工房のなかは、しいんとして更けていく。むきだしになった固い蕾に、息がかかった。だが北原は見つめているだけだった。なにもしなかった。だがあそこを見られている、と思うだけで、塔子の腿がふるえた。ふと、塔子は濡れた秘唇のにおいを嗅いだ。自分のにおいだ。視線がそこに刺さり、うるみをこぼれさせる。さらされたまま、いつまでも肝心な場所に触れようとしない指がもどかしかった。傷心の美貌のOLが旅先の金沢でめぐりあった九谷焼の陶工と、めくるめき一夜を持ち…。