出版社内容情報
運転手とお客さんが進みゆく、すべてのみちに、物語がある。
コロナ禍が明けて、街にひとが戻り、夏子はタクシードライバー4年目を迎えた。迷える同期、転職した先輩、型破りな新人──皆が悩みや不安を抱えながら、お客さんを送り届けるため今日も走る。各々が人生の分岐点で選んだ“みち”とは──。タクシーの車内で交差する人間模様を、名手が軽やかに、ときに切なく描き出す。人気お仕事小説、待望の続編。
矢部太郎さん(芸人・マンガ家)おすすめ!
「小野寺さんの小説はいつもやさしいどこかへ連れて行ってくれる」
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
149
小野寺 史宜は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。タクジョ!シリーズ第二弾、今回は男女ベテラン若手各種タクシードライバーの連作短編集でした。第一弾よりも、厚みが出てきた感じ、夏子は、タクジョ!から女神へ超昇格していました。直ぐに第三巻を読みたいのですが、図書館の配本の関係で、読めるのはギリギリ年内もしくは年明けです。 https://www.j-n.co.jp/books/978-4-408-55971-1/2025/12/03
佐島楓
60
タクシードライバーに対する職業差別の話が出てきて、東京の入り組んだ道を事故なく運転するだけでも大変なプレッシャーだろうに……とショックだった。どこでもマウント取りたがる客はいるだろうし、強盗の危険性なんかもあって命がけの仕事なのになぁ。小野寺さんの作品は他人の人生に触れさせてくれるので、その優しさが大好き。あるエピソードでは、切なくて泣いてしまった。最近ひどく感受性が強くなっているのは、あぁ、久しぶりに人を好きになっているからか……。 2025/11/17
hiro
42
小野寺作品は『モノ』『ひと』『タクジョ!』の順に読んできたが、前作を読みタクシードライバーの仕事について興味を持ち、続編もあることを知ってこの第二弾を読んだ。今回はコロナ禍が明けてタクジョ4年目になった高間夏子だけでなく、夏子の周りの人たちが語り手となっているので、女性ドライバーだけでなくタクシードライバーの仕事と生活がよくみえて、さらにタクジョ・夏子の成長もみえてきた。また「おかずの田野倉」も登場し『ひと』とのつながりが楽しめた。読み終えて最近でた第三弾も気になり、今日図書館で予約した。2025/11/28
よっち
26
運転手とお客さん。タクシーの車内で響き合う、一期一会の人間模様。前作から数年後を描いた連作短編集第2弾。今回は前作でも出てきた登場人物視点から描かれる形で、イケメンの先輩姫野がドライバーになった経緯や、同期の霜島や永江が目指すもの、元同僚で札幌でタクシー運転手となった水音さんとの再会、強面のベテラン道上さんがドライバーをやっている理由など、彼らの背景を掘り下げながら、後輩もできた夏子の自然体で誠実な仕事ぶりもいい感じに効いていて、今回もタクシー絡みのエピソードや描かれる様々な思いがなかなか良かったですね。2025/10/04
バナナカプチーノ
10
疲れて体調が悪いときには、安心安定、内容も知ってる小野寺さんの本を。単行本でも読んで、文庫で再読。これはシリーズ化されるのか?夏子と姫野の関係が、このまま終わるには半端じゃないですかね?2025/10/28




