出版社内容情報
「頼んだよ……鷹央君」
師を殺したのは、誰だ?
御子神氷魚。帝都大学の元主任教授で、現在は総合病院の院長を務める彼女は、天久鷹央の学生時代の師だった。同じ個性を持つ氷魚に導かれ、診断医の道を志した鷹央。天才医師が唯一「先生」と呼ぶ存在は、しかし不治の病に冒されており、最後には不可解な死を遂げる。謎めいた言葉を遺した師の真意を知るため、鷹央は捜査を開始するが……。師弟の絆を描く、本格医療ミステリー!
内容説明
御子神氷魚。帝都大学の元主任教授で、現在は総合病院の院長を務める彼女は、天久鷹央の学生時代の師だった。同じ個性を持つ氷魚に導かれ、診断医の道を志した鷹央。天才医師が唯一「先生」と呼ぶ存在は、しかし不治の病に冒されており、最後には不可解な死を遂げる。謎めいた言葉を遺した師の真意を知るため、鷹央は捜査を開始するが…。師弟の絆を描く、本格医療ミステリー!
著者等紹介
知念実希人[チネンミキト]
1978年、沖縄県生まれ。東京慈恵会医科大学卒、日本内科学会認定医。2011年、第4回島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を『レゾン・デートル』で受賞。12年、同作を改題、『誰がための刃』で作家デビュー(19年『レゾンデートル』トして文庫化)。15年『仮面病棟』が啓文堂文庫大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はにこ
118
鷹央には信用できる師匠が居たんだね。その師匠からの最後の挑戦状。見事だった。猫の事件、猫好きには許せない!!捕まって当然ね。鷹央の家に猫かと期待したけどそこは残念。まぁ、病院だからね。成瀬刑事がメチャいいように使われてて笑えてくる。鷹央にかかっちゃ刑事も方なしね。2024/04/29
aoringo
87
病死なのか殺人なのか?密室の中で脳梗塞で亡くなった鷹央の恩師。誰もがこれは病死と思う中、一人だけ疑う者がいた。短編集とのことだったけど、鷹央の原点と成長を知る大事な一冊。氷魚先生、鷹央先生は良い仲間に恵まれ、立派な診断医(名探偵)になりましたよー!2024/10/06
真理そら
83
鷹央の恩師・氷魚が登場する。そのため鷹央がいつになく人間的な面を見せる。小鳥遊のフォローが的確になってきていることに驚く、小鳥クンも成長?したねえ。医療機器の進歩によって病院が意外に危険をはらんだ場所であることを知った。今回は舞ちゃんの出番が少なかった。鷹央が猫好きであることが分かった。2024/02/10
星野流人
63
3つの事件の短編エピソード。「禁断の果実」は患者の容姿が整っていることが病理に繋がっているのがとても意外に感じられて、とてもおもしろいエピソードでした。「七色の猫」は色を塗られた猫にまつわる、軽めの小さな事件。猫は自分の体を舐めたりとかするので、大丈夫なのかなと心配になります。 「遺された挑戦状」は鷹央の師匠である氷魚の物語。全てが明らかになったあと氷魚の亡くなる場面を読み返すと、違った見え方ができて衝撃的でした。『異質』同士の信頼関係、とてもかっこいい作品です。成瀬刑事がちょっとかわいそうでは……?2024/04/03
オセロ
50
面白かった〜!! 今回は短編2本と中編の構成で、どれも医学の知識がないと真相が分からないものなので「ほぇ〜」って感じでしたけど、鷹央と同じ個性を持つ師匠の死を巡る謎を収めた中編はなかなか。互いの思いが交差する中で謎が謎を呼ぶ展開に加えて密室という大好物の要素が加わることでより面白みが増していて、それでいて読了感も良かったです。 2025/07/02