出版社内容情報
この事件は、私には解決できない。
だから――
自宅マンションで襲われたはずの女性が、十キロ以上離れた港で遺体となって発見された。被害者の友人で、天医会総合病院の看護師でもある相馬若菜から相談を受けた天久鷹央は捜査にあたるが、その過程で「私は手を引く」と宣言する。困惑する小鳥遊に、鷹央は「この事件は、お前が解決するんだ」と告げた……。奇想天外な“瞬間移動”の謎の真相は?
書き下ろし掌編「想いよ届け」収録。
内容説明
自宅マンションで襲われたはずの女性が、十キロ以上離れた港で遺体となって発見された。被害者の友人で、天医会総合病院の看護師でもある相馬若菜から相談を受けた天久鷹央は捜査にあたるが、その過程で「私は手を引く」と宣言する。困惑する小鳥遊に、鷹央は「この事件は、お前が解決するんだ」と告げた…。奇想天外な“瞬間移動”の謎の真相は?書き下ろし掌編「想いよ届け」収録。
著者等紹介
知念実希人[チネンミキト]
1978年、沖縄県生まれ。東京慈恵会医科大学卒、日本内科学会認定医。2011年、第4回島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を『レゾン・デートル』で受賞。12年、同作を改題、『誰がための刃』で作家デビュー(19年『レゾンデートル』として文庫化)。15年『仮面病棟』が啓文堂文庫大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オセロ
66
短編2つは個人的にそこまででしたが、長編はいろいろ考えさせられましたね。 マンションで殺されたハズの女性が見つかったのは10キロ以上離れた港。被害者の友人から事件の捜査を依頼された鷹央だけども、“事件の解決”は小鳥遊に任せるとのこと。たしかにこれは小鳥遊にしか“解決”出来ないな〜。そして全ての真相に気付きながら小鳥遊に“解決”を任せた鷹央の心意気はグッときましたね。 2025/03/06
よっち
37
自宅マンションで襲われたはずの女性が、十キロ以上離れた港で遺体となって発見され、相談を受けた天久鷹央はなぜかその捜査の過程で手を引いてしまうメディカルミステリ。今回は結婚しようとすると死んだ元婚約者に呪われる女と霊能力者、ゴミ屋敷と行方不明者、瞬間移動した死体の謎といった中短編の構成で、珍しい事件に自ら首を突っ込む鷹央と振り回される小鳥遊という構図は相変わらずですが、鷹央の抜けた部分を小鳥遊がフォローしたり、鷹央も解決をあえて小鳥遊に託したり、何だかんだ言いながら信頼感のあるいいコンビになってきてますね。2024/01/12
papako
35
天久シリーズ続き。細かいところは覚えてるのに、肝心のところはまったく記憶にないので楽しめる。おまけみたいなシーンはしっかり覚えてるのにな。ゴミ屋敷のお話、切ない。鴻ノ池のいじりは相変わらずいらない。彼女も何か事件に絡んできたっけ。ま、そのうちわかるよね。2025/01/21
kosmos
19
呪われているせいで体調が悪いと訴える女性、ゴミ屋敷で起きた殺人事件、自宅で襲われたあと瞬間移動してそこから遠く離れた港で遺体となって発見された事件…今回も鷹央と小鳥遊はさまざまな謎に挑む。「瞬間移動した女」という話では被害者の死因に驚いた。鷹央の蓄積された膨大な知識と、そこから答えを導き出す能力は本当にすごい。2024/02/26
NAOAMI
19
遺体が瞬間移動…の答は?①殺された原因を解明し真犯人を突き出した鷹央は、②殺されるきっかけになった事件の真相解明を小鳥遊に委ねた。なぜか。鷹央に解決できず小鳥遊なら解決できるとは。その問答で読者は犯人が解ったようなものだが、①の解明同様、②にもキッチリ隠れた病名診断が該当していること。それが全ての辻褄が合う流れに適合しており、このシリーズの深みとリアリティ追求の姿勢に脱帽する。鷹央と小鳥遊が引っ付く将来が想定されるなら、また彼はフラれるだろう。そのお相手が真相に絡んでいるはずと物語外の推理もできちゃうが。2024/01/26