出版社内容情報
女優、スリ、夫婦、ベルマン……騙しているのは誰だ?
100年の歴史あるホテル、最後の一夜に一気読み&二度読み必至!
伝統ある超高級ホテル「ヴィクトリアン・ホテル」は明日、100年の歴史にいったん幕を下ろす。特別な一夜を過ごす女優、スリ、作家、宣伝マン、老夫婦、そしてベルマン。それぞれの思惑が交錯したとき運命の歯車が軋み始め――ラスト30ページに特大の衝撃と深い感動が待つ、エンターテインメントを極めた長編ホテルミステリー!
内容説明
交錯する善意と悪意に一気読み&二度読み必至!伝統ある超高級ホテル「ヴィクトリアン・ホテル」は明日、100年の歴史にいったん幕を下ろす。特別な一夜を過ごす女優、スリ、作家、宣伝マン、老夫婦、そしてベルマン。それぞれの思惑が交錯したとき運命の歯車が軋み始め―ラスト30ページに特大の衝撃と深い感動が待ち受ける、エンターテインメントを極めた長編ホテルミステリー!
著者等紹介
下村敦史[シモムラアツシ]
1981年京都府生まれ。2014年『闇に香る嘘』で江戸川乱歩賞を受賞し、デビュー。数々のミステリランキングで高評価を受ける。15年「死は朝、羽ばたく」が日本推理作家協会賞(短編部門)、16年『生還者』が日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)の候補になる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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akky本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えにくす
108
2020年、コロナ禍の最中に百年の歴史を誇るヴィクトリアン・ホテルが、閉館する。その最後の夜を過ごすべく来た5人の男女を中心に描く、人間模様の物語だ。途中の違和感の正体は、よくミステリーで描かれるアレだと分かったけど、ここまで小刻みに来るとは思わなかった。しかも巧みな多重入れ替え等で、半分は騙されたよ。テーマは優しさだったが、思いやりも時には人を傷つけるには納得した。とても読みやすくて、あっという間に読破出来る。綺麗な物語だけど毒や刺激的要素はなく、それが物足りないと感じる読者も居るかも知れない。★3.82023/07/11
yukaring
92
これは騙されること間違いなし❗️ホテルならではの舞台装置を最大限に活かしたホテルミステリ。伝統ある格調高いホテル「ヴィクトリアン・ホテル」が改装のため100年の歴史にいったん幕を下ろす。この歴史あるホテルの最後の夜を楽しむ人々は女優や作家、仲のよい老夫婦、やり手のビジネスマンやスリなど様々な職業や立場の人々。彼らの事情や思いが交差していくヒューマンドラマかと思いきや最後にガラリと世界が見え方を変えるギミックに驚く。そしてうまく収拾した大団円には感動も待ち受ける爽やかな読後感だった。2023/02/22
seba
78
これまで読んできた下村さんの作品とは趣が違うなと思っていたが、一番好きな作品になった。思いやりの気持ちが誰かを傷付けてしまう事態は残念ながら確かに存在する。優しさを受け取った側がその後どう行動するかはその人次第であり、そこに自分自身の偏見や性質が現れるという考え方は、自分の表現の潜在的加害性を致し方なく気に病んでしまう現実の中では心強い。その上で、自分自身の表現にも責任を持ちたいと強く思った。本書全体の仕掛けのおかげで、打算無き善意の灯りは時をも超えて受け取った人の心に残り続けるのだと信じられた。2023/03/11
いたろう
74
百年の歴史を持つ日本有数の超高級ホテル、ヴィクトリアン・ホテルが、改築のため閉館となる。そのホテルに集う、女優、フリーター、作家、ビジネスマン、自営業者という、バックグラウンドも生活のレベルも全く異なる5人の群像劇。各々の人物がお互いに繋がり、物語が広がっていく。という構図の小説として読んでいたが、終盤に至り、そう単純な構図ではないことが分かる。そういうことだったのか。そして、ラストに至る物語の回収の見事さ。優しさが人を傷つけることもある。それでも、優しさを持ちたいと考える人々にエールを送りたくなる物語。2024/11/16
アッシュ姉
69
優しさや善意が人を傷つけることもある。愛好する物語が誰かにとって不快に感じることもある。感じ方、受けとめ方は人それぞれで多様性という言葉が何度も思い浮かぶ現代を象徴するようなテーマという第一印象だったが、なるほど、そういうことだったのか。気づいてもよさそうなのに全くわからなかった。スリリングな展開を期待していたので戸惑ったが、読後感はよきよき。2024/03/22
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