出版社内容情報
老人たちを助けたい! 田舎でおつかい便を始めた珠美。外国人継母との確執、仕事での悪戦苦闘、突然の別れ…。癒しの感動作!
内容説明
高齢化が深刻な田舎町で、たまちゃんは「買い物弱者」を救うために移動販売をはじめる。しかし、悩みやトラブルは尽きない。フィリピン人義母とのいさかい、救いきれない独居老人、大切な人との別れ…。それでも、誰かを応援し、誰かに支えられ、笑顔でゆっくり今日も走っていく。心が晴れる、お仕事家族小説!
著者等紹介
森沢明夫[モリサワアキオ]
1969年生まれ、千葉県出身。早稲田大学卒。2007年、『海を抱いたビー玉』で小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ろくせい@やまもとかねよし
196
序盤から不覚な涙が止まない読書。森沢さんの不思議な筆力に感服。まるで魔法のよう。都会の大学に通う女子学生が、一念発起し大学を辞め実家で起業する物語。生きるは「この世という奇跡に満ち溢れた素敵な旅」と表す。そんな旅では、人間は必ず他者とのつながりをもつ。他者のそれぞれは全く異なる人格であり、それゆえそれぞれに色々な感情を抱く。この多様な心情が、唯一無二なつながりを奇跡的に紡ぐ。だから死者であっても他者に感謝をもつように説得。そうか。だから感謝のありがとう。それは奇跡をもたらす他者は「有難い」を含意するのか。2020/12/23
おしゃべりメガネ
143
5年ぶりの再読で、正直細かいトコはちょっと忘れかけていました。覚えていたのは主人公「たまちゃん」の継母「シャーリーン」ぐらい。改めて今作にモデルがあって、こんなにもステキな話に仕上げるのは、さすが森沢さんだなぁと。改めて日本人的な影でこっそり的な文化、マナーも状況によりきりだし、人に感謝の意を伝えるのも、伝え方や伝わりかたで大きく変わってしまうなぁと。本当に森沢さん作品は出てくる人物がみんなステキで、読んでて本当に安心できます。ココロがちょっと不安定気味なトキはなおさら、安定化するに効果的かもしれません。2021/09/05
相田うえお
128
★★★★☆19045 たまちゃんが、おつかい便をする話。(それじゃタイトルのまんまだって?だったら...)葉山珠美という女性がおつかい便をする話。(あだ名から本名になっただけだろって?なら...)買い物に行く事が困難な老人の為に、食料,日用品,リクエスト品等を移動販売する仕事を始めたたまちゃんとその周りの人々の話。(あまり変わらない?)もう!読んでみて〜!素敵な話だからさー。特に後半は涙、温かさ、満載〜!そして、深い言葉が沢山あって付箋紙だらけになること間違いなしです。フィリピン女性のシャーリーンに好感!2019/05/23
ふじさん
99
大学を中退した珠美は、過疎化と高齢化が進む故郷に戻り、買い物弱者を救うために。移動販売の「おつかい便」を始める。フイリピン人の義母シャーリーンとの確執、様々な事情を抱えた独居老人の存在、大切な人々との別れ等、珠美の悩みや心配は尽きない。それでも、誰かを応援し、誰かに支えられ、逞しく生きて行く。父親の正太郎や義母のシャーリーン、静子ばあちゃんと珠美の葛藤や心の繋がりがなかなかいい。特に、珠美にとっては父親の正太郎の存在が大きい。心が温まり、泣ける感動の力作。森沢明夫の作品では、かなり好きな作品。 2021/10/04
アッシュ姉
89
母のリクエストで久々の森沢さん。良い人しか出てこない本が時々恋しくなるようです。やっぱり沁みます。心に刻みたい優しいフレーズがたくさん。いちばん好きな言葉は「人生に失敗はない。あるのは成功か学びだけ」。みんなあたたかくて、たまちゃんの家族が特に素敵でした。2021/08/31