出版社内容情報
才気あふれ、17歳で詩人となったすみれの存在が、家族や教師、隣人など身近なひとの心を結ぶ。愛情にあふれた爽やかな感動作。
内容説明
中埜菫は、担当教師に才能を見出され、17歳の若さで詩人としてデビューした―。姉の自由さに苛立ちながら憧れを抱く妹。伸び悩む新人に苦悩する編集者。不思議な魅力を持つ隣人にときめく大学生。意外な形で同級生と再会する販売員。幼い娘の成長に不安を覚える母親。詩人「すみれ」とかかわった人々が見つける幸せの形を描く、青春&家族小説。
著者等紹介
瀧羽麻子[タキワアサコ]
1981年兵庫県生まれ。京都大学卒業。2007年『うさぎパン』で第2回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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(C17H26O4)
71
優しい気持ち、幸せな気持ちをおすそ分けしてもらいました。小さな頃から独自の世界にふんわりと生きているような詩人、菫。彼女と直接的にまたは間接的に関わる人たちが、いつの間にか彼女から何かしらの影響を受けて前向きになっていく、さりげないお話でした。それでわたし、ここ、読メのことを思ったのでした。読友さんたちのレビューやつぶやきに感じるわたしの気持ちのこと。感動したり、憧れたり、共感したり。それからちょこちょこ励まされたりもしているのです。いろいろな気持ちをいただいています。皆さまありがとうございます。 2018/12/18
涼
58
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/06/post-d2026d.html 「ぱりぱり」とは、煮干しをかみ砕く音。表紙絵のネコも一緒に幸せになれるのかも。2023/07/02
wata
54
独自の世界観と時間の間合いを持ち、周りとは違う菫さん。本人は気づいてないけれど彼女を通じて出来上がる取り巻く人々の物語。2021/01/28
ケロリーヌ@ベルばら同盟
52
タイトルと、表紙画の愛らしさに魅かれて手に取りました。明るい黄色の地に、小さな女の子のポケットからこぼれ出たような、クローバー、こざかな、つややかなボタン…。とりどりの小さな宝物のように、六つの物語が、それぞれ異なった人の視点で、時系列もばらばらに、一見脈絡なく語られてゆきます。中心にいたり、物語の隅っこを横ぎったりするのは、若くしてデビューした詩人の姿。一章一章読み進むうちに、語り手の持つ小さな棘や、大きな期待、羨望、淡い想いに磨かれ、深く静かな美しさを湛えた像が浮かび上がって来ます。素敵な物語でした。2020/09/28
ピロ麻呂
46
独特の感性を持つ詩人の菫は周りから見ればちょっと変わった女性かもしれないけど、それも個性。でも、親からみたら、それは心配で仕方ないやろなぁ。普通って何だろ?平凡がいいのか、特徴があるほうがいいのか?考えさせられました。2017/08/31