出版社内容情報
メガバンクを陥れた真犯人は誰だ。窓際寸前の支店長と若手女子行員らが改革に乗り出した。行内闘争の行く末を問う経済小説
内容説明
うなばら銀行の窓際寸前行員、貞務定男は突如支店長に抜擢。支店では、女番長とあだ名される若手行員。柏木雪乃の言動に振り回されるが、不正融資発覚をきっかけに、貞務は雪乃ら若手たちと支店内の秘密に迫ろうとする。しかし、不正融資には政治家やヤクザも絡み、その背後には経営陣の派閥抗争が。貞務や雪乃たちに明日は見えるのか。
著者等紹介
江上剛[エガミゴウ]
1954年兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。旧第一勧銀時代、総会屋事件収拾に尽力。2002年に『非情銀行』でデビュー。03年、みずほ銀行退職後執筆に専念。評論家、コメンテーターとしても活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Walhalla
33
銀行の不正融資をめぐるお話でした。江上剛さんはメガバンクの元支店長だけあって、とても興味深いです。各方面の怪しいお偉いさんが多数登場しますが、わりと軽いタッチで読めますね。孫子の兵法の部分は、私にはちょっと難しかったのですが、同時に勉強も出来て良かったです。ところで、登場人物の木下勇次さんって、著者の別作品『総会屋勇次』の、あの勇次さんですよね。これはテンション上がります。2022/07/07
nyanlay
10
約440ページと分厚い一冊。銀行内の不正を暴く、と言う図式ですが、砕けた雰囲気もあり、そんなに構えなくても楽しめました。ただ主人公が孫氏の言葉を多用するので、そちらの方が難解でした。続編があるようなので、また図書館から借りてみようと思います。2017/08/03
ニゴディー
9
淡白な文章だし、ストーリーも銀行ものだとありがちな要素が多い。 安心感のある王道的なものを楽しむという視点で見ればテンポが良く読後感もそれなりに良いし悪くない。 物語の中で孫子の言葉を多用し個性を出そうとしてる部分は、それがプラスにもマイナスにも働いてたし微妙だったかな。 そこに力を入れるよりもう少し登場人物を掘り下げた方が良かったように思う。 支店長と女番長はもう少し焦点を当てればもっと魅力的になったのではないかと。2021/05/02
ga-ko
9
出世に縁がないと思っていたのに支店長に。なぜ?気になることをそのままにできない主人公が前任者の突然の退職の謎から問題を探っていく。面白かった!2019/12/14
Yuri
9
多分、初読み作家さん。銀行員モノとなると、どーしても池井戸潤作品と比べてしまうのですが、私の中ではそんなに遜色なく、テンポ良く読めました! ただ、キャラクターを活かしきれてない感は少しあって、濃い設定の割に勿体無いなーと思う所はあります。2018/08/05