出版社内容情報
「よろず探偵承り」珍妙な看板を掲げる発明家・柿三郎が、不思議な発明品で事件を解明!? 大正“ハイカラ”ミステリー。
内容説明
大正時代の浅草。町のはずれにあるボロ家・百栗庵の主で発明家の柿三郎が、探偵稼業に踏み出した。冴えない風貌で発明は珍妙だが、科学的な調査や思考実験から導き出す推理は明晰!機械式招き猫の助手・お玉さんを連れ、女中の千代とともに“連続して発見されたバラバラ死体”や“幻術師の元から消えた弟子”などの謎に挑むが…。傑作“大正モダン”×本格ミステリー。
著者等紹介
伽古屋圭市[カコヤケイイチ]
1972年大阪府生まれ。公務員退職後、全国を放浪。第8回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞した『パチプロ・コード』(文庫化にあたり『パチンコと暗号の追跡ゲーム』に改題)で、2010年にデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
七色一味
86
読破。あまり期待せず(失礼)読み始めましたが、意外や意外(こりゃまた失礼)結構本格的探偵小説でした(重ね重ね失礼)。TAMA3号が「あんな」なので、ちょっとこの「本格」的展開は想像外でしたが(すっげー失礼)。日常系ミステリーに倦きた方にはオススメです。2016/02/19
ばう
72
★★ 大正時代、浅草に住む発明家百栗柿三郎の元に持ち込まれる様々な事件。ひょんなことからこの家の女中となった千代さんと猫型ロボット(?決してドラ◯もんではありません)お玉さんと謎解きしていきます。面白いと言えば面白いかな?でも引き込まれる、という程でも…。たとえ図書館で借りてきた本でも途中で投げ出すのは性に合わないので頑張って最後まで読みましたが😅各話の間に挟み込まれた話の方が興味を惹かれました。最初お玉さんてアレクサみたい♪などと思っていましたが、そうだったのか!2022/01/19
nyanco
51
このミス出身の伽古屋さん、前作「帝都探偵 謎解け乙女」より大正モダン・ミステリーを書かれるようになり、いい感じです。今回は発明博士と猫型ロボット…と、ちょっと藤子ワールド風ではありますが、設定が面白かったです。柿三郎と助手の千代さんがてっきり…と思ったら最後にビックリのTAMA3号!このあたりも捻りが効いていて良かった。各章の間に関東大震災直後の状況が挟まれる構成も、なかなか面白く、作者の今後が期待できます。作品中に登場する「金平糖」、これが次作「なないろ金平糖 いろりの事件帖」にリンクしていくのかしら?2015/07/27
barabara
40
えっ、捻りってそれ?!これなら金平糖の方が良かったかも。お千代さんが、思わぬ方向に行ってしまい、かなり呆然…成立したカップルもどことなく年齢差ありそうで何か不自然な感じ…しっくり来なかったなぁ。2015/06/26
むつぞー
36
日常の謎解きモノかと思いきや、ホムンクルスによる殺人、切り刻まれた死体、幻術師の元から消えた弟子探しなど、殺人事件も多くあります。 この当時どの程度の科学捜査が導入されていたか判らないけど、指紋やら犬による追跡などが行われています。 その事件だけではなく、いろいろある所がこの作者の持ち味なのかな。そこがやはり上手い。 幕間に見えるは関東大震災の後の光景。時代は大正とわかりますが、具体的に時代についての言明がなかったのは、ここにかかるわけですね。 「でもそっちか~」言いたくなるのは、しょうがないのかしら。2015/03/03