出版社内容情報
名探偵は、いつも遅れて現れる――!?
ユーモアミステリの永久定番〈鯉ケ窪学園〉シリーズに新たなバディ登場!
理事長の娘・朝比奈麗華は大のミステリ好き。密室盗難事件、プールサイド昏倒事件…etc、今日も学園で起きる事件を解決しようと現場に出向く。相棒の探偵部員・石橋くんは、昼行灯のような捜査ぶりだが、あるとき突然推理が冴えわたりはじめ……。
『放課後はミステリーとともに』『君に読ませたいミステリがあるんだ』の〈鯉ケ窪学園〉シリーズが20周年を迎えた東川篤哉の、真骨頂にして新境地! 爆笑必至の本格ユーモアミステリ。
目次
第一話 名探偵、密室に現る
第二話 殺人が未遂だった話
第三話 生徒会役員室の攻防
第四話 天使はプールサイドに浮かぶ
第五話 茶室に消えた少女
内容説明
学園理事長の娘・朝比奈麗華は大のミステリ好きで、密室盗難事件、プールサイド昏倒事件等の現場に急行する。相棒である探偵部員・石橋君は、昼行灯のような捜査ぶりだが、あるとき突然、推理が冴えわたりはじめ…。
著者等紹介
東川篤哉[ヒガシガワトクヤ]
1968年広島県生まれ。岡山大学法学部卒。2002年、カッパ・ノベルス新人発掘プロジェクトにて『密室の鍵貸します』でデビュー。11年、『謎解きはディナーのあとで』で本屋大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シャコタンブルー
47
「鯉ケ窪学園」シリーズの最新刊。ユーモアあり謎解きありの安定した面白さだった。初めて入る居酒屋で「枝豆」を注文して食べた気分と似ているかも(笑) 枝豆にはずれなし。学園理事長の娘で高二の朝比奈麗華のお嬢様キャラと平凡な同級生の石橋の名探偵コンビが大活躍する。この二人の会話と行動が楽しく最後まで飽きさせないのはさすがだ。でも枝豆だけでは少し物足りない。おでんや鍋物も食べたい気持ちにもなった(笑) 個性的な脇役、怪しげな人物、驚きのトリック等もあれば満足感で腹一杯になったかも。2024/12/16
糸巻
23
鯉ヶ窪学園理事長の娘で2年の朝比奈麗華はその立場を利用して学園内で幅を利かせている。何故か難事件を引き寄せてしまうミステリ好きの麗華が、学園に関わる様々な事件の謎をミステリ研究会所属の石橋守と解決していく。5話収録の連作短編集。普段はメガネをかけておとなしいタイプの石橋守が、ある事がきっかけで名探偵に早変わりしてしまうパターンが面白い。誰にでも傍若無人な麗華も様変わりした彼に振り回されて普通の女の子になっているのが可愛い。ロッカー荒らしの謎がとんでもない真相に繋がる『生徒会役員室の攻防』が特に良かった。2024/12/02
おうつき
17
鯉ヶ窪学園シリーズ。このコンビ、もっと見てみたい。読み終えた後、そう思わせてくれるようなホームズ&ワトソンだった。あるフォーマットから展開されるドタバタ劇は著者の本領発揮で面白く、肩の力を抜いて楽しむことができる。そこで油断しているとミステリとしての意外性で殴られるのも流石。アイドルのライブの帰り道で女子生徒が刺傷を負う事件の謎を描いた『殺人が未遂だった頃』は特にある手がかりから導きだされる推理が綺麗。ロッカーが荒らされる騒動が意外な展開を迎える『生徒会役員室の攻防』も良かった。2024/11/21
だるま
16
鯉ヶ窪学園シリーズだけど、人物は新登場なので新シリーズになるユーモア・ミステリ連作短編集。ミステリ研究会の石橋が密室盗難事件に遭遇し、理事長に相談しに行くと、理事室には理事長の娘・朝比奈がいて、その事件を解決してあげると言う。理事長の娘なので生徒も先生も皆、逆らえず彼女の質問に答えるという構成が巧い。但し事件を解決するのは、普段おどおどしているのにビンタ等の刺激を与えられると名探偵に変貌する石橋だった(もう一度叩かれると元に戻る)。全5話、各々オリジナルのトリックで楽しめた。この軽さ、今では貴重だと思う。2024/12/05
ほたる
13
新たな探偵と助手が鯉ケ窪学園で見つかる。1話を読んでそのパターンで来るのかと。表紙の平手打ちの跡がくっきりと見えているのが面白い。学園で起こる謎は相変わらず不可解、そしてキャラクターのコミカルさも健在。やっぱりどのおはなしも安定して面白かったな。2024/11/16