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出版社内容情報
どうせ死ぬなら殺してみませんか?
希望を喪った男の心を動かしたのは
殺人の依頼状だった──
二転三転する“完全犯罪”計画の結末は!?
胸を打つサスペンスミステリー!
パワハラのトラウマに苛まれる秀文は、
退職から半年が過ぎても社会復帰できずにいることに絶望を感じていた。
首を吊るために朽ち果てた神社の桜の木にのぼると、
白い封筒が大きな洞に差し込まれているのを見つける。
〈どうせ死ぬなら殺してみませんか?〉と書かれた手紙は交換殺人の依頼状だった。
手紙を置いたのは白いセーラー服と紺色のスカートを纏った少女だと判明するが……。
奇妙な往復書簡の先に待つ殺人計画の?末は!?
内容説明
パワハラのトラウマに苛まれる秀文は、退職から半年が過ぎても社会復帰できずにいることに絶望を感じていた。首を吊るために朽ち果てた神社の桜の木にのぼると、白い封筒が大きな洞に差し込まれているのを見つける。“どうせ死ぬなら殺してみませんか?”と書かれた手紙は交換殺人の依頼状だった。手紙を置いたのは白いセーラー服と紺色のスカートを纏った少女だと判明するが…。奇妙な往復書簡の先に待つ殺人計画の顛末は!?
著者等紹介
天祢涼[アマネリョウ]
1978年生まれ。2010年、『キョウカンカク』で第43回メフィスト賞を受賞しデビュー。2013年、『葬式組曲』及びその収録短編『父の葬式』で、本格ミステリ大賞と日本推理作家協会賞各候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さっこ
66
パワハラで会社を辞めた秀文。トラウマに苛まれ自殺を決意する。首吊り場所に選んだ神社で交換殺人を持ち掛ける手紙を見つける。「どうせ死ぬなら殺してみませんか」ハラハラドキドキサスペ~ンス!!かと思いきや、とてもハートウォーミングな作品でした。ちょっとした謎解き風味もあって面白かった。秀文が強くなっていくのが嬉しかった。2022/08/05
花ママ
57
職場の上司のパワハラに堪えかね、退職した主人公の秀文は、半年たってもパワハラのトラウマに悩まされ、社会生活もママならず、自殺を決意したところに、〈どうせ死ぬなら殺して見ませんか〉という交換殺人の依頼状を見つける。手紙による依頼人の女性とのやり取りが始まり、最初躊躇していた秀文も次第に相手との距離を縮めながら、交換殺人に傾いていくが・・計画は二転三転しながら、エンディングへ向かう。結局主人公2人は悪人にはなりきれない、良い人たちだった。#NetGalley JP2022/08/02
ごみごみ
56
おとぎ話を読んだような、不思議な読後感。いや、ファンタジー要素は全くないのだけど。タイトル、装丁、帯の「どうせ死ぬなら殺してみませんか?」から想像した、いわゆるミステリとは違ってた!交換殺人を思いついた女が、ある方法で自殺寸前の男に手紙を渡す。それぞれの事情と思惑が絡み合い、ふたりは手を組むことになり・・うまく行き過ぎなところもあるが、ふたりの機転に感心しながら素直に読める。処々感じていた違和感が明らかになり、予想とは全然違った展開に驚きもあったけど、ラストの手紙だけは、私の想像どおりだと信じていいよね。2022/08/08
綾
43
パワハラで退職し、再就職先も見つからず自死しようと考えた秀文。首を括ろうとした木には「どうせ死ぬなら殺してみませんか?」と書かれた手紙があり……。交換日記風の手紙のやりとりが始まる。パワハラ部分を読んでいる時がキツかったかな。自分ではできると思っているできない上司ってめんどくさい。しかも性格が悪い。秀文も、交換殺人を持ちかけてきた詩音も、二人とも性格が良いばかりにこうなってしまったのだろうなと。どういう結末を迎えるのか、気になってしょうがなかった。読後感はいいけど、やっぱりいろいろと考えてしまう。2022/07/31
よっち
26
パワハラによる退職から半年が過ぎてもトラウマに苛まれ、社会復帰できていないことに絶望を感じていた秀文。自殺しようとした桜の木で白い封筒を見つけるサスペンスミステリ。大きな洞に差し込まれていた交換殺人の依頼状。手紙を置いたのがセーラー服を纏った少女・詩音だということが判明して、そこからお互いの背景が少しずつ明らかになってゆく展開でしたけど、積み重ねてゆくその知られざる交流がお互いを確実に変えていって、本作の交換殺人という言葉の意味と、絶望を何とか覆そうと抗う二人がたどり着いた意外な結末が印象的な物語でした。2022/07/28