内容説明
あの名作落語にはこんな続きがあったのか―?ここは落語の世界の住人が死後にやってくる「えんま寄席」。閻魔を納得させれば天上界。怒りを引き出せば地獄へ堕ちる。人情噺『芝浜』で夫のために尽くした女房は天上界へと思いきや…「芝浜」「火事息子」「明烏」など古典落語、その先の噺!ベストセラー『蔦重の教え』『春画入門』著者が描く本当は怖い大人の落語ミステリー!!
著者等紹介
車浮代[クルマウキヨ]
時代小説家/江戸料理・文化研究家。大阪芸術大学デザイン学科卒業。セイコーエプソン(株)のグラフィックデザイナーを経て、故・新藤兼人監督に師事し、シナリオを学ぶ。浮世絵展の監修、江戸文化に関する講演、TVのレギュラーなども務める。日本ペンクラブ会員、国際浮世絵学会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fwhd8325
27
その噺の続きは?ってことで、語り継がれた物語でございます。いや、これが、なかなか面白くって、あっという間に読んでしまいました。そもそもこの先生もあとがきで書かれていますが、噺ってものは、語り口で全く印象が変わるものございまして、これが、また楽しみでもあるんです。この先生が繋ぐ噺は、先生の想像力や業がされています。単独の噺としてだけでなく.四つの噺が見事に纏まっているところも満足です。2016/07/02
深青
22
これは面白かった。古典落語の登場人物のその後のお話。登場人物が閻魔様の前で懺悔……に見せかけて。それぞれのお話をもっとしっかり知っていればもっともっと面白かったのかなと。実は生落語を聞いたことがないので、寄席できちんと聞いてみたいな。2016/03/21
onasu
15
古典落語を題材にした四話で、外伝とある通り、ちょいと違った解釈で、締めには閻魔様によるお裁きを配し、且つそれぞれの話しに繋がりを持たせている。 造りとしてはおもしろいが、あくまでも落語の延長線上なんで、小説としては存在感や下世話な空気が伝わって来ず、絵に描いた餅のようで、今ひとつ物足りない。 高座で聴いたのなら、おもしろいのかもしれない。2016/03/14
わゆ
14
4つの落語の登場人物が少しづつ繋がっていて、行きつ戻りつ楽しみました。落語、一回くらい聞いてみたいな。2016/04/22
libra
14
タイトルの「寄席」と装丁を見て、「鬼灯の冷徹」のようなコメディを想像しながら読んだら、予想外の人情ものだったので、ちょっとがっかり。物語のベースは古典落語。有名な話がもとになっているので、知っている話が頭をよぎりそのあとの展開も想像がついたりするけれど、それも含めて落語のような雰囲気がでてる。2016/03/24