鉄童の旅

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  • サイズ B6判/ページ数 236p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784408536385
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

国鉄がまだ健在だった1981年、北海道から東京までひとりで旅をする男の子がいた。室蘭本線、青函連絡船、中央線、東海道線、相模線…男の子の存在は、出会った人々の記憶に深く刻まれる。彼はなぜ、ひとりぼっちで列車に乗っているのだろう―?切なくて、あたたかい、人と鉄道の「絆」の物語。

著者等紹介

佐川光晴[サガワミツハル]
1965年東京都生まれ、茅ヶ崎育ち。北海道大学法学部卒業。2000年「生活の設計」で第32回新潮新人賞、2002年『縮んだ愛』で第24回野間文芸新人賞、2011年『おれのおばさん』で第26回坪田醸治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おしゃべりメガネ

164
「おれのおばさん」シリーズの佐川さんが描く鉄道をからめたヒューマンものです。読みやすく、人物にも惹きつけられましたが、話の主軸がどこにあるのかイマイチぶれてしまっているような・・・。タイトルからして世に言う「鉄男・鉄子」的な話かと想像しておりましたが、内容はまったく路線が違い、結構シリアスな部分も少なくはありませんでした。個人的には色んな人物が登場する中で、主人公の奥さんが一番好感が持てました。関西訛りが物語にいいテンポになり、暗くなりかけた雰囲気をところどころ、ファインプレーでたびたび救ってくれました。2015/09/26

みかん🍊

96
僅か5歳の時に一人で鉄道旅した少年、時は過ぎ大人になった彼はJR西日本の非破壊検査技師となる、妻の出産を控えて父親になる前に偶然手に入れた資料を元に自分の失われた過去を探す為その頃会った人を訪ねる、施設に育ち家庭を知らないまま育ったが鉄道を愛する事で様々な出会いに助けられて真直ぐに育ち幸せな家庭を手に入れ成長する、時系列が前後して読みにくかったのともっと旅の事も描いて欲しかったがJRの旧車両や薀蓄的な事も描かれ鉄道愛溢れた作品でした、読後感も良かった。2019/04/03

chimako

62
鉄道のことを知らなくても充分楽しめる。記憶をなくし養護施設で育った鉄道マンが主人公。鉄道マンと言っても運転手や車掌ではない。車両の非破壊検査士。そんな仕事があるということにも驚き。彼がなぜ記憶をなくしたのか?彼は一体誰なのか?なぜ一人で電車に乗ってあちこち行けたのか?謎が解けるまで、読者も長い旅をする。両親を亡くし、自分の名前さえもわからない子どもに“鉄童”と名付け心から愛した人たちがいたこと。そのネットワークの素晴らしさ。最後まで明かされなかった名前。家族との幸せな未来に思いを馳せる。気持ちよく読了。2014/06/10

BlueBerry

62
鉄っちゃん達(鉄道ファン)はかな~り喜びそうな本ですね。特に「乗り鉄」さんたちが喜ぶこと請け合いですね(笑。鉄童さんについては作りすぎた感も若干したけれど全体を通してはとても良い雰囲気で楽しませてくれました。ウルッと来たところもありましたよ。気持ちよく読了できたし、終盤はかなり引きこまれたのでお勧めしておきましょうかね。鉄道ファンでなくても多分楽しめると思います。2014/03/06

それいゆ

54
ワム60000とかキハ81・20系といわれても私には訳が分かりませんが、鉄道ファンにはたまらない話なんでしょうね。小さな子が一人で鉄道旅をするという設定は記憶に残る物語となりました。最終章の「鉄童の旅はつづく」の話を読み始めたとたん、かすかに残る遠い記憶が蘇ってきました。そうなんです。もうこれは「フォレストガンプ」の世界だということに気づき始めました。映画の中で走っているトム・ハンクスとこの少年の旅が重なってきました。周りの人たちに福と安堵をもたらす素敵な物語でした。2014/03/30

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