内容説明
下谷広小路の仏具店「甲子屋」の一人娘、おようは、安政大地震で家族の消息を失った。父母や祖母、座敷牢に入っていた叔父に至るまでである。負傷したおようは、救護所の寺で竹問屋の手代、千三郎に松葉杖を作ってもらう。お茶すら自分で淹れたことのないお嬢様のおように、震災後はさらなる運命の転機をもたらす…。未曾有の災害と復興のさなか、商家の箱入り娘、竹問屋手代、鰯売り、飛脚人、船頭、こそ泥など江戸町人たちがおりなす人間模様。
著者等紹介
出久根達郎[デクネタツロウ]
1944年茨城県生まれ。73年より著述を始める。92年『本のお口よごしですが』で講談社エッセイ賞を受賞。93年『佃島ふたり書房』で第一〇八回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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バニラ風味
18
安政2年10月2日。江戸で起こった突然の大地震では多くの人が亡くなり、生き残った人たちの人生を変えた。親を亡くし、今まで引きこもりをしていた叔父、そして地震がきっかけで出会った若者と、店を始めたおよう。安定した生活を得るまでが一章。その後は、地震を経験した者の体験談。いずれも、読みやすい文章で一気読み。実際、地震の時はこんなだったのかな、と。面白かったです。2018/11/10
こおり
8
これはちょっと面白い構成になっている。安政の大地震を生き延びた商家の娘おようを中心にした第一部、そこから派生した「安政地震見聞録」の内容となる第二部、そしてあとがきの中にも仕掛けがあるという趣向だ。色々とゆるい感じが出久根さんらしいお話しになっていて良かった。「おんな飛脚人」の面々が登場するお話しもあった。出久根さん、私、おんな飛脚人の続きをお待ちしておりますので2015/09/15
きりだんご⭐️新潮部
2
●図書館2019/04/01
wasabi
1
被災しつつも逞しく生き抜いた江戸っ子たちから、数奇な運命が語られる。ひたすら丁寧で、分かりやすい進展は著者の持ち味が出ており、心和む。そして、著者は心の底から本を愛し、もの書きという職業を誇りにしているのだということが伝わってくる。2007/08/19
けい
0
センセーショナルな話を期待しても肩透かし。 そう、実際にこんな目に遭ったらきっとこんなふうに、当たり前をありがたく生きていくんでしょうねぇ。2012/04/17




