内容説明
愛する女の父親の轢き逃げ事件、経理部員の失踪。出向先の会社の暗部に、血腥い不正の臭いを嗅いだ男は、とくに義務でも責任でも使命でもなく、自分の自由意志で自分の後半生を賭けてでも、巨悪の実体を暴いてやろうというビジョンを描く。それはロマンティックだが、危険な賭けだった。
著者等紹介
森村誠一[モリムラセイイチ]
1933年1月、埼玉県熊谷市生まれ。青山学院大学文学部を卒業後、10年にわたるホテル勤務を経て作家活動に入る。’69年『高層の死角』で第15回江戸川乱歩賞、’73年『腐食の構造』で第26回日本推理作家協会賞をそれぞれ受賞。その後も『人間の証明』(第3回角川小説賞受賞)や『悪魔の飽食』をはじめ数多くの作品を著し、棟居刑事シリーズなどで人気を博す。2003年度の第7回日本ミステリー文学大賞を受賞。社会のゆがみに鋭いメスを入れる作風は多くのファンを魅了してやまない
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。