文春新書
朝日新聞―日本型組織の崩壊

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  • サイズ 新書判/ページ数 254p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166610150
  • NDC分類 070.67
  • Cコード C0295

出版社内容情報

度し難い官僚体質、社の不祥事さえ権力闘争に用いる経営幹部、コンプラでがんじがらめの社員…朝日新聞記者たちが自社の病根に迫る。

権力闘争に明け暮れる巨大メディアの実態に肉薄!

2014年、朝日新聞社は、慰安婦問題、吉田調書問題、池上コラム掲載拒否問題と、3つの不祥事に見舞われた。日本のマスコミ界にかつてない3大スキャンダルに表出した朝日新聞の内部で、いったい何が起きているのか──。
本書は現役の朝日新聞記者たちが、その取材力を朝日新聞そのものに発揮し、自分たちが働く会社の実態を克明に描き出す。
彼らが暴く朝日の病巣は、けっして「左翼」でも「反日」でもない。硬直化した官僚的組織、人事評価システム、派閥の暗闘……そうした極めて日本的な組織特有の病に冒されていることが、すべての元凶なのだ。それだけではない。朝日の場合、今回のような不祥事すら、新たな権力闘争の道具でしかないのだ。背筋が寒くなるようなモラルハザードが、そこにはある。
「改革者」として登場した歴代の社長たちがいかに権力闘争の渦に呑み込まれて行ったか、世紀の誤報の陰にどのような派閥力学が働いていたのか……そうした事実は、従来の朝日新聞像にまったく新たな光を当てるものである。
最後に彼らはこう警告する。
「極端な話、朝日新聞が残存する左派・リベラルの記者を一人残らず放逐したところで、今のような企業構造がある限り、こうした不祥事は必ずや繰り返されるはずだ」

内容説明

「慰安婦」誤報、「吉田調書」誤報、そして池上コラム掲載拒否事件…。なぜ朝日は前代未聞のスキャンダルに見舞われたのか?絶望的かつ末期的な社内状況を現役記者たちがつぶさに描く!

目次

はじめに 朝日新聞社の病巣は何か?
第1章 内側から見た朝日新聞
第2章 吉田調書事件の深層
第3章 慰安婦問題 消された「謝罪」
第4章 権力闘争とモラルハザード
第5章 企業研究 朝日新聞は生き残れるか?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おいしゃん

61
何かと話題に上ることの多い、朝日新聞。その内部の記者たちが、良い面も悪い面も、強みも弱みも、ズバッと明らかにした本書。このままだと朝日はやばい!というスタンスだが、業界全体についても詳しく書かれているので、新聞業界を研究する人にはオススメな一冊。2015/04/30

壱萬弐仟縁

32
高学歴、高収入、高プライド(24頁~)。朝日記者の高慢さは、自意識に根差し、愚かしさ、恥じらいは不祥事の際にしか自覚されず(25頁)と手厳しい。官僚タイプが生き残る組織体質のようだ(50頁~)。確か、朝日の入社試験では、地方面接で次が本社進出だった7対1で、だだっ広い会議室だった。「君はおとなしいね」と体育会系を求めんばかりの圧迫面接だった記憶がある。あの時は営業職で応募した気もする。共同通信は、吉田調書ではなく、現場の所員をソースに綿密な記事を形成(109頁)。朝日に対するあてつけなのだろう。 2015/08/15

ハイちん

21
慰安婦捏造、吉田調書、池上コラム……いろいろやらかしてる朝日新聞の社員(元社員)がその内情を暴露するという本。新聞記者の仕事にちょっと興味があって読んでみたのだが、取材力、執筆力にくわえて会社内での立ち回りも要求されるのだから大変な仕事だ。ぼくにはとても務まらないだろう。明らかになった事実を自分(達)の正義に沿って正直に報道する、というのがジャーナリズムだとぼくは思うのだが、朝日ブランド、社内ヒエラルキー、セクショナリズムを重視する社風が記者たちから正義と正直さを奪ってしまったんだと思うと悲しい。2017/03/27

yokmin

18
「はじめに」の項に述べられている「朝日危機の本質はイデオロギーではなく企業構造にある」はまちがい。両方にある。また「(毎日・産経の)給与水準は朝日・読売の六割」、「(自浄能力は)少なくともイエスマンで全社員を揃えた一部ライバル紙のような惨状にまでは陥っていない」、「(慰安婦に関する証言)信じてしまいやすいのは朝日の記者に限ったことではない」、「(内部監査を行う社員は)何も生産していないし、ただの一円も稼がない」などは見苦しいし、無知でもある。朝日記者の過剰なプライドは本当に苦々しい。2020/02/10

浅香山三郎

16
朝日新聞の官僚体質を内側から告発する本書だが、記者たちのエリート意識や、派閥争ひ、事なかれ主義など、まるで週刊文春の記事の如くに自社の状況を冷笑的に描く。それは『レディ・ジョーカー』で高村薫が描いた新聞記者の日常とも合致するが、様々な朝日の迷走は、目先の自称「スクープ」の検証が二の次になるほどに、新聞社の劣化を齎してゐることがわかる。朝日の論調よりも、かうした上層部の体質からくる事柄の方が劣化の主要因だといふ分析も的を射たもので、紙媒体離れの深刻化とも相俟つて、新聞といふメディアの旧弊さを際立たせる。2020/07/12

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