内容説明
日村誠司が代貸を務める阿岐本組は今時珍しく任侠道をわきまえたヤクザで、地域の信頼も厚い。闇金から追われる町工場も、若手組員が知る最新のフィギュア需要で業績が上向くほどであった。その阿岐本組長が、兄弟分の組から倒産寸前の出版社経営を引き受けることになった。表街道を歩く出版事業とやらに憧れたらしい。日村は半ば呆れながら、組長ともに問題の梅之木書房に出向くが、癖のある編集者たちや、所轄のマル暴刑事など、本業以上の波乱が待ち受けていた―。
著者等紹介
今野敏[コンノビン]
1955年北海道生まれ。78年、上智大学在学中に「怪物が街にやってくる」で問題小説新人賞を受賞。卒業後、レコード会社ディレクターを経て執筆活動に入る。空手の有段者で、自ら空手道「今野塾」を主宰
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感想・レビュー
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miyumiyu
50
読友さんのオススメで。おもしろかった!ヤクザの組長が潰れかけた出版社を立て直す話だが、組員の奇想天外な発想が大当たりするなど、一つ一つの問題解決がスカッとする。組長・阿岐本と、ナンバーツーの代貸・日村の絡みがおもしろい。組員と梅之木書房の従業員の義理人情に胸が熱くなる場面も。流血沙汰のような派手な場面もなく、読みやすかった。次は「任侠学園」を読んでみたい。2014/05/16
そうたそ
42
★★★☆☆ ヤクザが倒産寸前の出版社を立て直す物語。ヤクザならではの発想で、見る見るうちに出版社が息を吹き返していく様が実に爽快だった。ヤクザが主人公な故、ヤクザが必要以上に正義として描かれ、警察が悪のように扱われているのが気になったが、そりゃこんな組長ならさぞかし人望もあるだろうなとついつい思ってしまう。あまりに話がトントン拍子に進むのはご都合主義であることも否めないが、それをも許せてしまうほどの痛快さが感じられるヤクザエンタメだった。シリーズ化されているらしいので、今後も組長の手腕に期待。2014/08/27
幹事検定1級
38
任侠シリーズの第一弾ですが結果的に最後に読むことになりましたが、楽しく読ませて頂きました。今回は出版社の立て直しでしたがお見事な立ち回りでした。引き際もお見事なのですがもう少しやって頂いてもよいと思う経営者ぶりです。このシリーズいいですねえ〜。(図書館本)2017/02/03
達ちゃん
32
任侠シリーズ初読でしたが、いや~面白かった。日村さんを中心にドタバタ事件が相次ぐ中、最後はまるく収まって一件落着。義理人情の世界、熱いです。2016/03/12
そのぼん
32
任侠道に生きる男が突然出版社の経営を任されることになったことから始まるストーリーでした。昔気質の人情味溢れる感じが爽快感がありました。最後まで楽しめました。2012/11/10
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