内容説明
永正五年(1508)、上野国赤城山の麓で生を享けた男子は、兵法修行に出た常陸国鹿島で神道流を学び、地元上泉に戻り陰流を伝授される。戦国乱世を一武将として戦うが、甲斐の武田信玄に降伏。しかし仕官を固辞し、自ら興した兵法新陰流を広める旅に出る―。上泉伊勢守信綱、兵法新陰流々祖。「生きて真剣の先に見る無刀の境地」とは。透徹した魂で兵法を極めた男の物語。
著者等紹介
海道龍一朗[カイトウリュウイチロウ]
1959年、札幌生まれ。『真剣』で小説デビュー
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感想・レビュー
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ぶっくlover
8
愛洲移香斎と秀綱の絡みが面白かったなー。兵法の極みは無刀の境地、兵法を極み続けた上泉信綱らしい言葉だな2021/03/06
リュウキ
1
★★★★☆2010/11/26
takj
0
実在したが伝説的人物 殺し合いの剣を活人剣として「剣」に革命を齎した 2013/04/15
ゆーふぃー
0
読み応えがありおもしろかったのだが、どうも信綱に入れ込めなかった。胤栄が宝蔵院流を編み出す方が興味深かったかな。それと闘茶の場面が結構好きだった。信綱がいつの時代の人か知らなかったから、思いがけず、氏康や綱成が登場して嬉しかった。まさか、北条と敵対していたとは…。2013/10/31
リードシクティス
0
剣が滅法強かったということ以外は全く知らない上泉信綱を主人公とした小説。剣豪というイメージは強かったが、実は小さいながらも一城の主として武田や北条と戦った戦国武将としての一面もあると知って意外だった。クライマックスの宝蔵院胤栄との仕合は圧巻だった。できれば少々退屈だった戦国武将としてのエピソードを端折ってくれていいので、柳生宗厳との仕合も描いてほしかった。この作家は初めて読む作家だけど、最近流行りの軽めな歴史活劇ではなく、実に読み応えのある歴史小説を書く作家のようなので、引き続き読んでいきたいと思う。2012/10/18