内容説明
敵国に抱いた疑念は、生涯の研究生活となった。戦後、もっとも多くの日本人にアメリカについての示唆を与え、影響を及ぼし続ける歴史家の半生記。アメリカ、日本、日米関係、21世紀の世界を考える。
目次
アメリカを目指すまで
アメリカでの生活
アメリカへの旅
南北アメリカ大陸の旅
千年紀のはざまで
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジュンジュン
6
猿谷氏を初めて知ったのは、NHK教育「高校世界史」という30分番組。一発撮りのようで他の教授陣がどもったりつっかえたりするなか、氏だけは自然体で語りかけるような喋りは、まるで教室で講義を受けているようだった。本書はそんな著者の回想録、つい署名入り(故人)を買ってしまった。戦時中パイロット教官を務めていた頃、アメリカの戦闘機と遭遇する。"鬼畜米英"と思っていた敵が、自分と変わらない青年だった事に衝撃を受け、戦後アメリカ研究を志す。以来50年を振り返る。語り口同様、文章も柔らかい。2019/09/08