出版社内容情報
人格論を軸にして人類史的な「人間発達論」を構築する論考。伝統的福祉国家論にはない新たな視点=“人権保障に加えて、自分の自由を処理できない「空っぽの時間」を変え、主体的な「自由時間」を獲得する視点”から福祉国家像を再構成する書き下ろし! 現代社会の変革主体は自由時間を社会的基礎に育つことを力説する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
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図書館新刊棚にあったので、買うのを躊躇していた本。池上学派のおひとり。経済学は人格(傍点)と能力とを社会的範疇として区別する。この区別は新しい時代の産物とのこと(25頁)。市民は、自由・独立な商品所有者として、市場社会を形成する(34頁)。市民の市場での意義が今も問われる。アマルティア・センの能力、ケイパビリティ。潜在能力で、能力と人格的機能が含まれている(75頁)。現代の、個別最適学習論で、二宮先生は、コミュニケーション関係が断たれると批判される(238頁~)。現場に居る私も心して授業したい。2024/05/03