内容説明
命とともに古めかしい帆船を波間に。かれらは白い貝のネックレスと赤い貝のブレスレットを握りしめながら、命がけの海のたたかいに出ていく。
目次
自然のままの強い風景(激流が育てるラオスの逞しい少年;主人は店の中で食事。食べ終わるまでこうしてじっと待っている。 ほか)
旅先で出会う不思議たち(宇宙ロケット発射並みに緊張するマイナス55度の小便;氷河探索の途中で見た「貸しアイゼン屋」 ほか)
たくましくて美しい人々(「燃料費ゼロ」太陽の国の素晴らしい発明品;巡礼助ける62歳“老婆”の喜び ほか)
ありのままの人々がいた(ミャンマーのうらやましい納涼ノロノロ列車;モンゴルで出合った「六つの目玉」 ほか)
驚きと魅惑の日々(南の風に誘われて;恋あり転覆あり命がけで次の島へ ほか)
著者等紹介
椎名誠[シイナマコト]
1944年東京生まれ。作家。私小説、SF、紀行文、写真集など、著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
むぎじる
36
旅の中で印象深い国とそこに住む人々を取り上げたダイジェスト版のような1冊。シベリアでマイナス55度を体験されているそうなので、気温でいえば100度ほどの間をいったりきたり・・・。タフで好奇心の塊のような方だ。印象深かったのは「チベット」。五体投地拝礼は自分の体を地面に叩きつけ、拝礼しながら自分の体の分だけ大地を進む。ラサからカイラスまでの巡礼の道のりは、健康な中年男性で一年かかるという。ほどこしの精神が息づくこの地では、巡礼者に手を貸すことが喜びになる。昨今の窮屈な世の中と反する清々しさに心打たれる。2021/07/31
OHモリ
17
・敬愛するシーナさんが撮りためた過去の写真を見返しながら、過去の旅行や探検などを思い出しながら気楽に書いた写真エッセイ集(たぶんそうじゃないかと勝手に想像)。 ・読むほうも気楽に読めるが、内容は濃い。それなりにインパクトがあって笑える写真もある。 ・軽い本だなと思っていたけど案外長くなってしまった感想はブログで→https://plaza.rakuten.co.jp/drunk4374books/diary/202203220000/2022/03/17
toshi
8
「旅の窓からでっかい空をながめる」「この道をどこまでも行くんだ」の系統で、旅先で撮った写真1枚+エッセイの構成を、「あるいて行くとぶつかるんだ」のようにテーマ別に編集した本。 アバンギャルドな形容詞や独特の言い回しはほとんど無くて、シーナも年取って過激さが薄まってきた感じ。2021/07/26
りょう
7
シーナさんの写真と短いエッセイ。写真に思い入れがなければ撮れないし書けないだろうけど、それが重すぎても、読んでてしんどい。フォトエッセイというのはそのバランスが難しいが、これは私にはちょうどいい。2021/10/25
りょうけん
7
<嬉> 我らがシーナ兄い。ここのところ立て続けに本が出る。僕はついこないだも別の新刊写真本を読んだところだ。『こんな写真を撮ってきた』という真四角な本だった。同じ出版社”新日本出版”から出ていた。以前シーナ兄いが次のような主旨の事も言っていたのを思い出す。『”粗製乱造”なうえに,発売する時期もあまり考えないで,各出版社がてんでバラバラに出すので時としていっぺんに何冊も出たりして,僕としても少し驚いたりしています。』 2021/07/12