内容説明
あなたは知っていますか?悪魔の部隊と呼ばれた細菌戦部隊「七三一」のこと、生きたまま切り刻まれた中国人「マルタ」のことを…。
目次
第1章 七三一部隊少年隊員となって―悪魔の手先の日々(悪行への門出―十五歳で少年隊を志願;少年隊(悪魔の手先)の日々
生きながら切り刻まれる中国人「マルタ」
同郷の少年隊員も生体実験の犠牲に)
第2章 証言者として生きる(敗戦―戦犯となる;認罪―撫順戦犯管理所で考えたこと;証言者として生きる;二十世紀の少年から二十一世紀の少年へ)
著者等紹介
篠塚良雄[シノズカヨシオ]
1923年千葉県生まれ。第七三一部隊元少年隊員。中国帰還者連絡会会員
高柳美知子[タカヤナギミチコ]
東京生まれ。早稲田大学卒業。中学・高校の国語教師を経て、現在、“人間と性”教育研究所所長、東京総合教育センター相談員。撫順の奇跡を受け継ぐ会会員
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
31
たまたま吉村昭氏の「蚤と爆弾」を読んでいる最中に読んだのでギョッとしました。淡々とした恐ろしい描写が続き、クリスマスなのに悪夢を見る始末でしたが、ぜひ多くの人に読んでいただきたいと思います。人を人と思わなくなった科学者たちの末路は…信じられないことに明るかった、と知ったときには呆然としたものです。戦争責任をだれがとるか。そこにも特権意識があり、大国の思惑があり、現在も生き残っている暗闇なのです。下手なサスペンスよりも数倍恐ろしい一冊でした。2020/12/25
ヒラP@ehon.gohon
24
衝撃的な本です。日本が戦争において、どんなことを行ったのか、事実を知ることはとても大切なことです。 しかし、戦争を知らない世代として育った私には、オウム真理教や、連合赤軍において、若者が陥った地獄の方が先に思い起こされてしまって、とても苦しいのです。 「生体実験」という常軌を逸した非人道が、肯定された社会があったのです。 今ならば当然裁かれなければならない人間が、その事実を自分の心に押し込めました。 当事者として証言するに至った事には、懺悔があります。 2020/12/15
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
20
『あなたは「三光作戦」をしっていますか』 https://bookmeter.com/books/234094 を先に読んでいました。日本で戦争の話をすると被害者であることがクローズアップされますが、日本も加害者であることを子どもたちに伝えてほしい。残虐な七三一舞台(細菌戦部隊)の裏側(中国人のマルタ)を、篠塚さんが告白してくれなかったら歴史に埋もれていたかもしれない…。2021/08/22
せっちゃん
14
七三一部隊元少年隊員の告白、2004年第1印刷、子供向けコーナー、図書館本。水木しげるさんの戦争体験本を読み、なんだか戦争の話を知らなければ、と思い借りました。七三一部隊の事は20代のころ、テレビと本で知る。おわりの章に、中国の古い諺[前事不忘 後事之師(過去のことを忘れず、これからの教訓にしよう)]加害者日本こそ肝に銘ずる言葉で、憲法9条の灯を高く高くかかげつづけていきましょう、と書いてあり、心に響きました。2021/08/21
かおりんご
8
切ない。いろんな戦争の本を読んだけれど、残虐さに、脳内麻痺。言いたいことはいっぱいあるけれど、言葉にならない。簡単に読めるので、是非読んで欲しい。そして、知って欲しい。2012/03/18