内容説明
小選挙区制は二大先進国民をどこへ導いたか。制度と民意の矛盾の中で、いま新たな改革と選択の道にふみだそうとする英、米両国民の長い模索と探求。日本の小選挙区制論議にも役立つ。
目次
日本の小選挙区制はなにをもたらすか
揺れるイギリスの小選挙区制
アメリカにおける比例代表制の胎動
アメリカは二大政党制を捨てるか
感想・レビュー
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スターライト
7
日本で小選挙区制による国政選挙が実施される直前に刊行され、イギリスとアメリカの事例をもとにその制度について検証した書。イギリスでは1885年から導入されたがその背景は労働運動の高揚による選挙権の拡大があり、労働者の代表を議会に送ることで当時の保守党・自由党が譲歩せざるを得なかったことだが、アメリカでも黒人を始めとしたマイノリティの声を無視できなくなったという似たような状況があったのは面白い。ただその制度的矛盾(少数者の意見が反映されない)は同制度では解決しえないため、根本的な打開が求められるだろう。2021/03/16