感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ようはん
16
後漢社会のシステムから見た孔明の立ち位置に各時代の知識人から見た孔明の評価の変遷、正史と演義との孔明像の比較等内容は充実して読み応えはあった。ただ、劉備が臨終の時に孔明に対し劉禅が皇帝の座に値しないのなら自身が皇帝になれという発言の意図が孔明に釘を差しておく意味合いがあったという考察はあまり納得出来なかった。2021/06/13
BIN
7
1章は正史三国志から見る諸葛孔明像、2章は歴代の正史(25史)から孔明に対する評価を集め、三国志演義を含めて時代とともに孔明像がどう変わっていたかを述べていて非常に良い。当時の願望を込めて戦上手にもなっていったぽいのものななか頷ける。だが、第3章は持論ということでお馴染みの名士論で展開されるので嫌いな人はスルーしても良いかも知れないw最後に蜀漢政権の人物リストがあり、名士かどうかの印がついているので見てみるとちょっと楽しい(個人的に突っ込みどころもあるし)。2018/08/25
佐藤丈宗
0
文体が平易で読みやすい。正史(史書)と演義(物語)を比較して史実を明らかにする手法は三国志関連本によくみられる。本書も一部はそれを踏んでいるが『三国志』のみならず二十五の中国全正史から諸葛亮に関する記述を拾い出して「官製」の諸葛亮像がどのように作られてきたかを論ずるところは興味深い(分類の定義が曖昧な点は弱点だが…)。著者得意の「名士」論から見る諸葛亮の姿もあり、諸葛亮という人物の実像と虚像に迫るためのアプローチとして、ひとつの視点を提供してくれる。2017/01/05
ギルダーツ
0
名士のしがらみ…いつの世も人間関係は複雑だな。でも三国志演義だけではわからないこともあり、まぁまぁ満足。2014/04/15
朝霧 紅玉
0
諸葛孔明に関する伝記であり、演義と正史の像を比較する・・・という名の名士論。