内容説明
第30回歴史文学賞受賞作!日本襲来を前に、朝鮮半島で繰り広げられた蒙古軍との壮絶な戦いと、戦禍に巻き込まれた人びとの過酷な運命を描く。表題作の他に「中尊寺蓮」「蛍火」等5篇を収録。異色の歴史秀作集。
著者等紹介
金重明[キムチュンミョン]
本名=同じ。昭和31年、東京生まれ。東京大学、大阪外国語大学朝鮮語学科中退。平成9年『算学武芸帳』で第8回朝日新人文学賞受賞。平成18年、『抗蒙の丘―三別抄耽羅戦記』で第30回歴史文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひろゆき
1
表題作は元の侵入時の朝鮮半島の歴史物。首都が名実ともに陥落後、抵抗する武装勢力が島伝いに拠点を南下し壊滅していく話。はじめてふれる話だからこそ手にとったが、私の脳内で朝鮮式山城や武具、戦法のイメージが想像できるほど書き込まれておらず、不満。短編集なのだが、中心に据えられた恋愛もあまりに簡略、ほぼ一目惚れで一様。あまりに素人っぽい書き方ではないかと。記録だけで積み上げたものを読みたい。2018/03/29
samandabadra
1
題名からしてもしかしてモンゴル軍の済州島の侵略の話かもと思い購入。 果たしてそのとおりでした。そのほか、秀吉の朝鮮侵攻のときの話や日本に移り住んできた人々の話、海を渡って交易する人々の話など、日本を日本のみに終わらせないものがあって面白かった。つい先日読み終わった司馬遼太郎の『ペルシャの幻術師』という本に出てくる、日本にやってきた異人の話にも通じるような気がする。2012/02/11