内容説明
切子ガラスのランプ。四天王寺さまの夕陽。万灯会…。無数の火のつぶが、遊廓の少女の身体を包む。鏡花文学に漂う気品を受けついだ、せつなく、うつくしく、いたいけな物語。
著者等紹介
大鷹不二雄［オオタカフジオ］
角川書店「野性時代」に、幻想小説「般若陰（はんにゃいん）」でデビュー（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ｍizuha
9
第35回泉鏡花文学賞特別賞受賞作。「天空の泉鏡花が舞い降りてきて……人々の魂を救う物語(オビ)」おばけずきの鏡花自らおばけになる？それは読まずにいられない！結果的に、思っていた内容とは違ったけれど、美しい物､美しい言葉を散りばめ､二人の少女の心情を描いた観念的なストーリーは、幻想に彩られた影絵のようだ。そこに絡むあくまでも上品で幽玄な源氏香紋の男。著者の鏡花への思いがたっぷり詰まった作品だった。好きなんだなぁ､が一番の感想。2014/07/23
